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いちごにスイカ、メロンも無農薬!目指せ「富国強農」/女子アナ日下千帆の「私にだけ聞かせて」
芸能・女子アナFLASH編集部
記事投稿日:2022.12.11 16:00 最終更新日:2022.12.11 16:00
12月に入り、いちご農家ではケーキに使用されるいちごが出荷のピークを迎えています。クリスマスケーキには欠かせないいちごですが、果物のなかでは農薬の残留量が多いことでも知られています。
今回ご紹介する『いちご物語』戦略室長の高野済さんは、自らがアレルギー体質だった経験から、栽培中に農薬を使わないいちごの研究を続けています。
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高野さんは、大分県出身。27歳から県内でハーブの栽培を始め、1990年には、リサーチのためフランスに渡ります。帰国後は薬用植物の研究を続け、アメリカ、タイ、イタリアなど39カ国の政府、自治体、企業から農業コンサルの依頼を受けています。
――なぜ農薬不使用にこだわるのでしょうか?
「私は3人兄弟だったのですが、子供の頃から3人とも食品で体調を崩していました。転地療養のため田舎に引っ越し、チャボや山羊を飼い、有機野菜を作る自給自足の生活を始めました。それでもなかなか治らず、ハーブや湯治などあらゆる方法を試してきたのです。
15歳のころから、実家の一部を使ってミントやレモングラス、タイム、ラベンダーなど10数種のハーブを栽培し、親戚の店で販売するようになりました。
その後、薬用植物を作るため、借金をしながら本格的に研究を始めたんです。現在は、千葉市の『いちご物語』で、農薬不使用のいちごを販売しています」
――『いちご物語』では、一年中、農薬不使用のいちごが食べられるそうですね。
「はい、そうです。いちご狩りの摘み取りの最中、科学物質に敏感な子供たちの具合が悪くなることがあるんです。ときには救急車が来ることもあるんですが、うちでは、そんな子供たちにも安心して楽しんでもらえます」
――いちご以外に、どのような果物を栽培されているのですか?
「いちごの栽培ベンチの上で、スイカやメロンも栽培しています。いずれも無農薬なので、子供が皮を舐めても問題ありません。今後は、パッションフルーツやフィンガーライムも栽培する予定です」
――『いちご物語』では、新たな農業人材の育成にも尽力されているそうですね。
「はい。農薬不使用の栽培は難しく、同業者からも問い合わせが来るくらいです。そこで、そうしたノウハウを後進に伝えるため、新規参入者のサポートにも取り組んでいますし、新卒採用もおこなっています。働き方の多様化を目指し、1日1時間から働ける制度も導入しました。また、観光農園という枠組みを越えて、農業を通じた教育やアカデミーの拠点としての場作りもしています」
――環境にも体にも優しい農産物の栽培に成功されていますが、この先の目標はありますか?
「日本の農業を、かつてのように世界のトップレベルまで引き上げたいと考えています。栄養価が高くおいしい野菜で “富国強農” を目指したいですね」
食糧危機のニュースが流れるようになりましたが、日本に高野さんのような農業問題解決の専門家がいらっしゃることを大変心強く感じます。
■日本を農業で強くするための3カ条
(1)農業を愛する人を作る
(2)農業を信じる人を作る
(3)農業に夢を持つ人を作る
●日下千帆(くさかちほ)
1968年、東京都生まれ。1991年、テレビ朝日に入社。アナウンサーとして『ANNニュース』『OH!エルくらぶ』『邦子がタッチ』など報道からバラエティまで全ジャンルの番組を担当。1997年退社し、フリーアナウンサーのほか、企業・大学の研修講師として活躍。東京タクシーセンターで外国人旅客英語接遇研修を担当するほか、supercareer.jpで個人向け講座も
( SmartFLASH )