芸能・女子アナ
錦織一清「舞台は接客業」カーレースをローラースケートで表現することも/女子アナ日下千帆の「私にだけ聞かせて」
芸能・女子アナFLASH編集部
記事投稿日:2023.01.29 16:00 最終更新日:2023.01.29 19:41
錦織一清さんといえば、誰もが知っている人気アイドルグループ「少年隊」のリーダーです。1985年のデビューシングル『仮面舞踏会』が大ヒットし、1986年には、レコード大賞や歌謡大賞などで最優秀新人賞を総なめにし、紅白歌合戦にも出場しました。
メンバーの東山紀之さん、植草克秀さんと3人で歌って踊る姿が印象的ですが、1986年から23年間続いた少年隊主演のオリジナルミュージカル『PLAYZONE(プレゾン)』では、役者としても本格的に活動されてきました。
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1995年、『PLAYZONE KING&JOKER』で、初めて脚本・演出を担当。その後、2009年頃から『PLAYZONE 太陽からの手紙』『SHE LOVES ME』と演出のオファーが続くようになり、2013年には、つかこうへいさんの『熱海殺人事件』を演出・主演しています。
そして2022年11月、長年にわたる舞台での経験を若い役者さんたちに伝えたいという気持ちで、オリジナル演劇メソッドを『錦織一清 演出論』(日経BP)にまとめて出版されました。
――演出の話を書こうと思ったきっかけは?
「演出をしていると若い役者と仕事をすることが多いのですが、毎回、同じような質問を受けるので、それを一冊にまとめて形にしておきたいと思いました。
自分は本格的に芝居を習ったことはなくて、若い頃はそれをコンプレックスに感じていたんです。独学で学ぼうとして、演劇部の姉が練習していた『外郎売』(ういろううり)を暗唱したり、演劇論の本を読んだりしていました。
しかし、本を読んでも、王道のメソッドは難しすぎてわかりにくいことが多かったのです。自分が、回り道をしながら時間をかけて学んできたことを、若い人にわかりやすく伝えたいと思いました。
いまの若者が格好いいと思ってやっていることも、舞台の上ではまったく見え方が違ったりするのです。テクニックだけでは伝わらないこともあり、また、この年になって気づくこともたくさんあるので、若い役者さんたちにヒントを与えたいですね」
――これまでにもっとも楽しかった演出は?
「2015年の『JAM TOWN』という、横浜を舞台にしたミュージカルです。構想に3年かけ、ゼロから作り上げました。頭と体の両方で汗をかいた作品です。
カーレースをローラースケートで表現したいと言ったら、主演の筧利夫さんが、後楽園のローラースケート場へ、朝の営業前に足しげく通ってくれたのです。1冊の本が書けるくらい思い入れの多い作品です」
――では、もっとも難しかった演出は?
「主演する機会もいただいた『熱海殺人事件』です。自分で自分の演出をするとフックがないので、コースが決まっていないところを走るような難しさを感じます。張り合いがないというか、“つか演劇” をやるピリッと感がないという、そんな気持ちになってしまいました」
――錦織さんにとって舞台とはなんですか?
「『舞台ってなに?』と聞かれたら、『接客業』と答えています。芝居や歌や踊りを精いっぱいやるのが接客です。お客さまがいて初めて成り立つ仕事ですから、お客さまとの間合いが大事なんですよ」
――これからやってみたいことはありますか?
「演劇界をもっと盛り上げていきたいですね。現状、演劇はお金にならないのに、それでも頑張ってやっているヘンテコな贅沢品になっています。そこを変えていきたいです。
昔、江本孟紀さんの『抱腹絶倒!プロ野球を10倍楽しく見る方法』という本が売れて、新たな野球ファンを張り起こしたことがありましたが、『錦織一清 演出論』がそんなふうに演劇界の起爆剤になったら嬉しいです」
■人生を素敵に演出するための3カ条
(1)自分が幸せになること
(2)家族が幸せになること
(3)自分の周りのすべての人が幸せになること
※錦織さんの新作舞台『サラリーマンナイトフィーバー』の東京公演は、2月4~12日、日本橋三越劇場にて上演されます
1968年、東京都生まれ。1991年、テレビ朝日に入社。アナウンサーとして『ANNニュース』『OH!エルくらぶ』『邦子がタッチ』など報道からバラエティまで全ジャンルの番組を担当。1997年退社し、フリーアナウンサーのほか、企業・大学の研修講師として活躍。東京タクシーセンターで外国人旅客英語接遇研修を担当するほか、supercareer.jpで個人向け講座も
( SmartFLASH )