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チームラボがオペラに進出!劇場に輝くレーザー球体は必見/女子アナ横井弘海の「エンタメ時間」
芸能・女子アナFLASH編集部
記事投稿日:2023.02.25 16:00 最終更新日:2023.02.27 12:56
アート集団「チームラボ」が、初めてオペラで空間演出を手がけた『トゥーランドット』が、東京・上野の東京文化会館で2月26日まで上演されています。
日本最大の演奏団体で、日本におけるオペラの普及と発展に努める東京二期会の創立70周年記念公演で、ジュネーブ大劇場との共同製作です。
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5年の構想期間をかけて創り上げた舞台で、チームラボが光で描く立体的な彫刻空間とデジタルアートが劇場を包み込むダイナミックで斬新なオペラです。
オペラは大好きと言う人もいれば、敷居が高いと感じている人もいるでしょう。今まで縁がなかったと言う人もいるかもしれません。そこで、オペラのそもそもを簡単に説明しておきます。
オペラは、演劇と音楽によって構成される総合舞台芸術で、約400年の歴史があるそう。オーケストラの奏でる美しい旋律に乗せて、歌手の歌う台詞で物語が進んでいきます。音楽、劇の演出、舞台装置、歌手の衣装など、魅力満載のゴージャスな世界というイメージです。
一方、オペラが描く世界は、男女の恋愛や駆け引き、生と死など、意外にドロドロの人間ドラマも多く、たとえ言葉がわからなくても、歌を聴くだけで感動することも。
これまで星の数ほど作品が作られたでしょうが、現代まで生き残っているオペラは、そもそも名作に違いありません。食わず嫌いはもったいない気がします。『トゥーランドット』もそのひとつで、超有名なオペラです。
聴けば誰もがご存じだと思いますが、3大テノールのひとりL・パバロッティが歌う「誰も寝てはならぬ」という曲も、このオペラのアリア(1人で歌われる曲)でした。
物語の舞台は、王朝時代の中国・北京。冷酷な心と美貌の持ち主で、皇帝の娘であるトゥーランドット姫が、求婚者に結婚の条件として3つの謎をかけます。しかし、求婚者は謎を解くことができず、次々に首を切られてしまいます。
そこに現れるのが、国を追われ放浪中のダッタン国の王子カラフ。トゥーランドット姫に見惚れて求婚を決意。父の元ダッタン国王ティムールとその女召使いリュー、そしてピン・パン・ポンの3大臣に止められるのも聞かず、姫の謎に挑戦し――というストーリーです。
作曲したプッチーニは、1924年に逝去しています。そのため、劇中で召使いリューが自刃する場面以降は未完で、エンディングは解釈によって異なります。
今回、未完の第3幕は、登場人物の心理描写に重きを置いているとされる、ルチアーノ・ベリオによる補作が使われました。
さて、チームラボが空間を演出すると、オペラはどう変わるのか。
これまで作品全体をプロデュースしてきたチームラボが、歌手やオーケストラ、演出とナマの舞台でどのようにコラボするのか、まずはその点に目が離せません。
また、レーザーで球体を作る光の彫刻は日本で初お目見えです。この光の彫刻にはスモークを使いますが、劇場という空間ではスモークのコントロールが大変難しいそう。それがどの場面で使われ、どんな感動を呼ぶのか、それを見るのも楽しみです。
そして、チームラボの作品と言えば、たいていお客が移動しながら作品に没入していくわけですが、席に着いて観賞するオペラでは、それはかないません。
アートディレクターのアダム・ブースさんは、「舞台というフレームで観るのではなく、物語の空間が舞台から飛び出して、観客が舞台とひとつになれるように考えています」と自信をのぞかせましたが、確かに「おー!これは」という瞬間がありました。
「アートに完成というものはなくて、常によりよいものを目指しています。現在が100%なら、200%を目指したい。今回の舞台では、レーザーを駆使して、線ではなく面を作る光の彫刻をお見せします。
オペラ全体は暗い世界観ですが、そこで放たれる光に、強い光も優しい光もあることを感じてもらえたら。チームラボの新しい表現を楽しみに、これまでオペラを観たことのない若い人たちにもご覧いただけたらうれしいです」(アダムさん)
すでに再演の期待が高まっていますが、みなさん、この機会にオペラに没入体験してみませんか?
東京都出身。慶應義塾大学法学部卒業後、テレビ東京パーソナリティ室(現アナウンス室)所属を経てフリー。アナウンサー時代に培った経験を活かし、アスリートや企業人、外交官などのインタビュー、司会、講演、執筆活動を続ける。旅行好きで、訪問国は70カ国以上。著書に『大使夫人』(朝日新聞社)
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