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満島ひかりさんの言葉でルーヴル美術館の「愛」を見つける/女子アナ横井弘海の「エンタメ時間」

芸能・女子アナ 投稿日:2023.03.11 16:00FLASH編集部

満島ひかりさんの言葉でルーヴル美術館の「愛」を見つける/女子アナ横井弘海の「エンタメ時間」

満島ひかりさん(c)NTV

 

 東京・六本木の国立新美術館で、「ルーヴル美術館展 愛を描く」が始まりました(~6月12日まで。その後、京都の京セラ美術館で6月27日~9月24日まで開催)。パリ・ルーヴル美術館の膨大なコレクションから精選された73点の絵画のテーマは「愛」。

 

 どんな愛の名画を観ることができるのか、さっそく出かけました。

 

 

 本展は、16世紀から19世紀半ばまで、それぞれの時代にヨーロッパ各国の主要画家によって描かれた多様な愛の表現を集めています。「愛はどこにでもある、と同時に、本当はどこにあるのでしょうか。」が、この展覧会の本質的な問いかけだそうです。

 

 たしかに、「愛」は古代から西洋美術の根幹をなすテーマの一つですが、ギリシア・ローマ神話に登場する神々の愛もあれば、キリスト教の神が人間に寄せる無償の愛、人々が神に寄せる愛を描く宗教画もあります。また、現実の人間社会のなかで起こる恋人たちの愛、家族の愛、悲劇の愛など、さまざまです。

 

 展覧会の構成は、

 

プロローグ「愛の発明」
第1章「愛の神のもとに―古代神話における欲望を描く」
第2章「キリスト教の神のもとに」
第3章「人間のもとに―誘惑の時代」
第4章「19世紀フランスの牧歌的恋愛とロマン主義の悲劇」

 

 となっています。

 

 たとえば、プロローグの「愛の発明」で最初に登場するのは、フランソワ・ブーシェの『アモルの標的』です。

 

 愛の神は結びつけたい相手の心臓に矢を放ち、その矢が刺さった瞬間に愛が生まれるという神話は、よく知られた話です。アモルはフランス語の「AMOUR」、要はキューピッドのことです。

 

 作品にはキューピッドたちの掲げたハートの中心に愛の矢が1本刺さった瞬間が描かれています。それを見て、恋人たちに授けるであろう2つの月桂冠を高々と幸せそうに掲げるキューピッドも。そして、的を射ることができなかった他の矢は、もう用がないからと焼かれています。幸せな絵なのだけれど、ちょっと残酷でもあります。

 

 本展は、案内人の満島ひかりさんと声優の森川智之さんが音声ガイドのナレーションを担当。名画に描かれた「愛」に秘められたドラマの数々を届けてくれます。

 

 開会式に出席した満島さんが、初体験という音声ガイドについてこう語りました。

 

「音声ガイドで愛を語るのですが、口に出したことのないような言語とか、ちょっと恥ずかしくなるような言葉もありました。怒りや恥じらいをお芝居にして話してみたり。森川さんと私ならではの世界で、ぐっと情感が盛り上がるような音声ガイドができたと思います」

 

 観客を名画の世界に誘うには、いまどき愛を語るときに使わないような表現が、逆にしっくりくる場合があるのかもしれません。満島さんがどんな言葉を「気恥ずかしい」と思ったのか、勝手に想像しながら、ときどき、くすっと笑ってしまいました。

 

 ところで、満島さんは、パリのルーヴル美術館にも行き、本展も一足先に鑑賞したそうで、こうも話していました。

 

「これらの絵画の歴史を聞きながら、その背景を紐解きながら絵を観ていると、1枚の絵に30分以上必要でした。絵を観ながら、いろいろなことを想像して、愛にまつわるたくさんのヒントを見つけて、だから愛って言われているんだなとか……。

 

 逆に、えっ、これも愛っていうんだ、とか。人が描かれていなくても、そこに愛を見出すことができる作品もあります。ちょっと恐ろしい愛だったり、ドキドキするような愛だったり。

 

 絵にまつわる背景など、知れば知るほど鑑賞する時間が長くなってしまうので、一度で全作品を観るのは無理かもしれませんね」

 

 ちなみに、人が描かれていないところに愛があるというのは、17世紀オランダのサミュエル・ファン・ホーホストラーテンが描いた『部屋履き』のことでしょう。作品の情景を見て、いろいろな想像をかきたてられる大人の愛の作品。必見です。

 

 満島さんはユーモアを交えた率直な感想も話していました。

 

「美術展のオープニングから、描かれている絵のなかに裸の人がいっぱいいるなぁというのも印象的でした。キューピッドもたくさん描かれていますが、みんな裸んぼで、自由だなぁと感じました(笑)」

 

 芸術家が愛を切り取った瞬間は多様です。神様も人間も、男女も同性同士も、親子も官能的な愛も……見つめあい、恥じらい、ふれあい、抱きあい、ときに誘惑し、略奪され、命を落としと、いろいろです。

 

 満島さんの言葉を借りれば、「『ルーヴル×愛』というのがすごくいいなぁ」とのこと。その感覚、私もなんとなくわかります。ルーヴルの「愛」の形、あなたも感じてみませんか?

横井弘海

東京都出身。慶應義塾大学法学部卒業後、テレビ東京パーソナリティ室(現アナウンス室)所属を経てフリー。アナウンサー時代に培った経験を活かし、アスリートや企業人、外交官などのインタビュー、司会、講演、執筆活動を続ける。旅行好きで、訪問国は70カ国以上。著書に『大使夫人』(朝日新聞社)

( SmartFLASH )

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