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GWは「日本のウユニ塩湖」へ…香川・父母ケ浜で撮る映え映え鏡面写真/女子アナ横井弘海の「エンタメ時間」
芸能・女子アナFLASH編集部
記事投稿日:2023.04.29 16:00 最終更新日:2023.04.29 16:00
父母ヶ浜(ちちぶがはま)という名前を聞いたことがありますか?
香川県三豊市、瀬戸内海に面している約1kmにわたる穏やかなビーチで、いま、「日本のウユニ塩湖」という別名で注目を集めています。
「ウユニ塩湖」と言えば、南米ボリビア、アンデス山脈に囲まれた世界最大の塩湖で、湖面に反射する風景の美しさが「天空の鏡」と形容され、テレビCMなどにもしばしば登場する世界屈指の絶景スポット。
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そんなウユニ塩湖に負けず劣らず、干潮時、砂浜に残った潮だまりが鏡のように空も雲も人も、そして夕日も映しだします。
絶景を撮影できると人々が気づいたのは、三豊市観光交流局が2015年に開催したフォトコンテストに入選した1枚の写真でした。
撮影したのは、地元のカメラマン「チェビさん」。それまで1日数名の観光客が訪れるだけだった静かな海水浴場が、その写真をきっかけに、2017年頃から脚光を浴び、2018 年にはじゃらんの「夕日絶景ランキング」で全国1位に選ばれるなど、いまや四国屈指の観光スポットになっています。
チェビさんが、当時の様子を教えてくださいました。
「香川県に『うどん以外』で県外、海外の友人に紹介できる場所を探していたところ、たまたま発見したのが、その風景です。結果、こんなにも多くの方が訪れるようになって嬉しいし、いまでも信じられません。
有名になったときはニュージーランドにいたため、戻ってきて浦島太郎状態でした。誰もいなかった浜辺に、いまでは数えきれない人がいるのを見ていると『写真』の影響力のすごさや、地元の方、観光交流局の方の努力を感じます」と、話してくださいました。
私もそんな絶景をぜひ一度見てみたいと思い、先日、友人と旅行を計画。夕日が落ちはじめ、「瀬戸の夕凪」と呼ばれる風のない時間に、潮の引く干潮時が重なるベストタイムを目指して、車を走らせました。
海岸線沿いの道から、遠く水平線に沈もうとしている大きな夕日の赤がまぶしく、心が躍ります。
駐車場には、同じ思いであろう人たちがすでにたくさんいて、車のナンバーを見ると、レンタカーも多く、県内外から人が集まって来ていることがわかりました。
長い海岸線も感動的です。潮が引くときに残った潮だまりの鏡は、大小あちこち、遠くまでできています。ほぼ全員が絶景を撮影したいという気持ちで集まったわけですが、これだけ広々した浜なら、自分なりの絶景フォトを撮影できそうと気分が上がりました。
海水が鏡のように風景を映し出す好みの場所を探しては、仲間と一緒に思い思いのポーズを取ったり、息を合わせてジャンプをしたり。傘をさして芸術作品を作っているような人もいて、とにかくみんな楽しそう。
スマホでも大満足の写真が撮れますが、プロのカメラマンに撮影をお願いしている人もたくさんいました。ときには、純白のドレスのすそが泥んこになるのもいとわず、ウエディングフォトを撮影する人もいるそうです。
私も瀬戸内海に沈む夕日を眺めながら、童心に帰って感動的な時間を過ごしました。
ところで、この美しい父母ヶ浜は、地元の人たちの地道な活動の賜物です。
父母ヶ浜は、瀬戸内海のほぼ中心に位置するため、瀬戸内海中のごみが流れ着きます。そのため、父母ヶ浜を埋め立てて工業用地などに転用する構想が持ち上がり、何度となく、海岸が消滅する危機に見舞われました。
しかし、父母ヶ浜を守るため、1996年に設立した「ちちぶの会」という地元ボランティア団体が定期的な海岸清掃を開始。
7名から始まった会員は現在200名を超え、海岸の自然保護と美化の維持のため、毎月清掃をおこなっています。さらに交通整理や観光客への観光案内、地元の小学生たちへの環境教育などもやり、父母ヶ浜を守っています。
また、「映えスポット」として大きく注目を集めるようになった陰には、三豊市観光交流局の頑張りもあります。
地元のカメラマンたちに相談しながら、どうしたらより父母ヶ浜が美しく撮影できるか、いつ来たらいちばん素敵な写真が撮れるのか、研究を重ねて発信。ウェブサイトには、父母ヶ浜の絶景写真の撮り方や見頃カレンダーも載っています。
車がないとなかなか不便なところですが、最寄りのJR詫間駅からコミュニティバスが運行され、予約制の乗合タクシー、土日限定の観光周遊バスなどもあります。
今年2月、観光に携わる全国の自治体や観光協会、企業や個人の取り組みをもとに、人々を感動させる場所を認定する「ジャパントラベルアワード2023」で、父母ヶ浜は「感動地」に選出。観光開発のすぐれた取り組みに贈られる「観光開発部門賞」も受賞しました。
受賞の理由は、「かつては埋め立て地だった海岸を、清掃活動や観光客の写真を撮影するボランティア活動を通して年間45万人が訪れるビーチへと変化させ、地域に経済的メリットをもたらした」こと。長年のボランティア活動が認められ、地元も喜んでいます。
近年、父母ヶ浜の周辺にはオシャレなカフェやゲストハウスなども増えています。このゴールデンウィークは、5月3日から7日まで、駐車場はオンラインの事前予約をしないと利用できないほど、混雑が予想されています。
自然にも人にも感動する父母ヶ浜。またいつか訪れたいと思います。
東京都出身。慶應義塾大学法学部卒業後、テレビ東京パーソナリティ室(現アナウンス室)所属を経てフリー。アナウンサー時代に培った経験を活かし、アスリートや企業人、外交官などのインタビュー、司会、講演、執筆活動を続ける。旅行好きで、訪問国は70カ国以上。著書に『大使夫人』(朝日新聞社)
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