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坂上忍さん「猫パンチされてもかわいい」に納得…保護犬・保護猫に会いに行こう/女子アナ横井弘海の「エンタメ時間」
芸能・女子アナFLASH編集部
記事投稿日:2023.05.13 16:00 最終更新日:2023.05.13 16:00
フジテレビ系列の人気バラエティ番組『坂上どうぶつ王国』でもおなじみ、俳優の坂上忍さんの動物好きは有名です。
2022年4月には、千葉県に敷地4500坪という大規模な動物保護ハウス「さかがみ家」を開設し、運営に乗り出しました。
「動物の生体販売禁止という世界的な流れのなか、日本は動物愛護に関してかなり遅れている」と語る坂上さん。
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2022年、全国の推計飼育頭数は、犬が705万3000頭、猫が883万7000頭。犬の新規飼育頭数は42万6000頭、猫は43万2000頭と飼育頭数が増える一方で、2020年度に全国の保健所で殺処分された犬猫は2万3746頭にも上ります。
保健所に収容された犬猫の命の猶予はわずか1週間程度。数字を見て、なんともやるせない気分になります。
この殺処分を減らすため、保護犬・保護猫の譲渡を増やすことが有効な手段のひとつであるという考えが広まり、近年、各地で「譲渡会」が開催されるようになりました。
先日、「さかがみ家」はじめ15の保護団体が参加する日本最大規模の譲渡会「パナソニック保護犬猫譲渡会2023」が開催されました。4月29日と30日、会場のパナソニックセンター東京(江東区有明)に、2日間で5300名を超える人が来場しました。
「1匹でも多くの犬猫の幸せにつながるイベントを目指して運営していく」というパナソニックは、日ごろから保護犬・保護猫の応援活動を続けていますが、今年、2回めを迎えた当イベントは、「譲渡会」のほかに写真展やトークセッションを実施するなど、動物好きなら1日会場で癒される内容でした。
トークセッションに登壇した坂上さんは、他の代表とともに保護犬・保護猫、動物たちと暮らすことや動物保護活動についての想いを熱く語りました。
「みんな、愛玩犬、愛玩猫に慣れすぎています。子猫はかわいいのだけれど、なつかない子はなつかない子で、本当にかわいい。いつもムスッとしていて、チュールをあげようと思っても猫パンチされて、なんで餌をやっているのに叩かれるのか……(笑)。
それが、1年経つと手が出なくなって、そこから1年半くらいたつと手をペロペロって舐めてくれる。年単位で数ミリしか近づけないのだけど、成猫には成猫のかわいさがあります。そういうかわいさを理解してくれる人が増えるとうれしいです」(坂上さん)
仰るように、個性豊かな子たちが集まった会場。わが家にもニャンコがいるので、今回どんな子がいるのか、1匹1匹、ケージをのぞいてみました。
年齢も性別もさまざまで、雑種ばかりではなく、血統書がついていそうな子もいます。出身も全国津々浦々。奄美大島や石垣島から保護された子たちも少なくありません。1つのケージに2匹が寄り添っている猫がいました。
聞けば、いつも一緒にいないとどちらも落ち着かないのだそう。猫エイズの陽性と説明に書かれている子もいましたが、人間と一緒で発症することもなく、普通の猫と同じく元気に過ごせる子の方が多いというスタッフのお話です。
それにしても、みんな大変おとなしくて、いい子です。
最近、都内では野良猫を見ることはほぼなくなりましたが、それでも、多頭飼育崩壊や遺棄(置きざり)で傷ついた子たちがまだまだいます。彼らは保護団体に助けられ、予防接種、避妊・去勢手術、マイクロチップ装着などケアされ、また飼い猫修行もして、譲渡会に出てきます。
NPO法人「ねこけん」(代表理事 溝上奈緒子さん)には目の見えない子もいました。名前は「ひとみ」ちゃん。3歳くらいで、人が大好きな甘えん坊だそうですが、その日はただうつむいてケージの隅っこでうずくまっていました。
トイレの失敗をしたことがないというから立派。猫は風邪を引いてそのままにしていたのが原因で失明してしまうこともあるのだとか。
気になって、ひとみちゃんのその後を確認したところ、今回、譲渡の申し込みはなかったものの、「ねこけん」の知り合いのご家族が、「預かり」を申し出てくれたそうです。
ご家族のお子さんが、ひとみちゃんをすごく気に入ったそう。これからは家のなかを自由に生活できるようになるわけで、ちょっと安心しました。
保護犬・保護猫の譲渡の申し込みについては、各団体が譲渡できるか審査・確認してから譲渡が決まります。
譲渡会の最中にも、NPOの担当者と興味を持ったご家族が和やかに面談している姿をあちこちで見かけました。現在、主催者が把握している数字は申し込み数で、115件。1頭に複数の申し込みもあるそうで、いいご縁になるように願うばかりです。
それにしても、保護団体のみなさんの活動には頭が下がります。
坂上さんが、独特の言い回しで動物保護への関心を喚起しました。
「保護ハウスをスタートして1年がたち、こんな大変なの? というのが正直なところ。動物を守るのは当然だけど、同時に動物を世話してくれる人の生活を守ることにトライして、うちがモデルケースとして成功できたらと思いながらやっています。
たとえば、医療費など想像がつかない。それぞれのNPOはそれをやりくりして、身を削ってやっているのが現状。動物が(人間に)返してくれることは多いのだけど、人間がもっと手伝えよというのが率直な感想です」
保護団体の方々からは、譲渡会がもっと多く開催され、もっと周知されるようになってほしいという声が聞かれます。それにより「殺処分ゼロ」が広がり、譲渡できたNPOは新しい子を保護でき、それが野良ちゃんもゼロに近づくことになると。
ワンコもニャンコも一緒にいると癒されますよね。まさに家族です。飼える飼えないはまた別の話ですが、ひとりひとりが猫や犬の幸せを考える世界にしなければいけないのは間違いありません。
東京都出身。慶應義塾大学法学部卒業後、テレビ東京パーソナリティ室(現アナウンス室)所属を経てフリー。アナウンサー時代に培った経験を活かし、アスリートや企業人、外交官などのインタビュー、司会、講演、執筆活動を続ける。旅行好きで、訪問国は70カ国以上。著書に『大使夫人』(朝日新聞社)
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