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日本での歴史は120年超…1700種類を食べた男が明かす「シュウマイ遺伝子」の魔法/女子アナ日下千帆の「私にだけ聞かせて」

芸能・女子アナFLASH編集部
記事投稿日:2023.10.22 16:00 最終更新日:2023.10.22 16:00

日本での歴史は120年超…1700種類を食べた男が明かす「シュウマイ遺伝子」の魔法/女子アナ日下千帆の「私にだけ聞かせて」

日下アナ(左)と種藤さん

 

 気温が下がってくると、温かいものが食べたくなります。そんな食欲の秋に美味しいシュウマイはいかがですか? 今回は、日本シュウマイ協会代表理事の種藤 “シュウマイ” 潤さんにお話を伺いました。

 

 種藤さんは、神奈川県茅ケ崎市出身。横浜国立大学教育学部を2000年に卒業。氷河期中の就職活動で企業に内定するも、学生時代に目指したフリーの編集者として活動する道を選びました。

 

 

 しかし、いきなり出版業界に飛び込んだため、新入社員のように仕事を教えてもらえるチャンスはありませんでした。それでも、学生時代に培った人脈をたどり仕事を獲得、その仕事の中で編集ノウハウを覚えていき、数年を経てウェブメディアの連載や、フリーペーパーの企画編集を任されるようになりました。

 

 シュウマイに興味を持ったのは、編集の仕事とは切り分けて何かひとつのテーマを追求したいと考え、まだ専門家も専門組織もないジャンルである「シュウマイ」に着目したから。2015年からシュウ活(全国のシュウマイを食べ歩き、SNSで発信する活動)を始めました。これまでの8年間で1000軒以上、1700種類を超えるシュウマイを食べているそうです。

 

 2021年に初の著書『シュウマイの本』(産業編集センター)を出版し、翌年の2022年、「一般社団法人日本シュウマイ協会」を立ち上げました。

 

――なぜそんなにシュウマイに惹かれたのですか?

 

「シュウマイは誰もが知っている料理ですが、それを専門で研究している人は少なく、メジャーなのにマイナー、という特殊な存在で、そこに面白さを感じました。また、シュウマイは中華料理店でも餃子のようにいつもあるわけではなく、宝探しのような楽しさもあります。

 

 私は神奈川県で生まれ育ちましたが、神奈川県には『シウマイ』で有名な崎陽軒があって、神奈川の主要な路線である東海道線や京浜急行線のほとんどの駅に崎陽軒の店舗があります。それほど県民にとっては馴染みがあり、シュウマイ遺伝子が浸み込んでいると言っても過言ではありません。もちろん、私もその一人ですが」

 

――餃子ではなくなぜシュウマイに?

 

「餃子は家庭でもよく手作りし、専門店も多く、実際にシュウマイに比べて消費量も多いのは事実です。でも私は、そのメジャーな存在よりも、いわゆるマイナーな匂いのするシュウマイを応援したくなったのです。

 

 実は、日本ではシュウマイのほうが餃子より古くから食べられていたのです。

 

 日本で餃子が本格的に食べられるようになったのは、第2次世界大戦後の話です。一説によると、中国に渡っていた日本人が、当時食べられ始めていた焼き餃子を食べ、帰国後にその味を再現して、東京の屋台で売り始めたのが最初と言われています。

 

 一方、シュウマイは1859年の横浜開港後、外国人居留地の周辺に中国人が集まる街、今でいう「中華街」ができはじめ、そこで食べられるようになった料理のなかに存在したと考えられています。

 

 正確な誕生はわかりませんが、1899年には『博雅』という店が『シウマイ』を出していた記録がありますので、最低でも120年以上の歴史があるのです。ちなみに崎陽軒は、2008年に創業して100周年を迎えています。

 

 ただ、高度経済成長期に職業を持つ女性が増え、家事の効率化が進んだため、フライパンで手軽に焼ける餃子のほうが、家庭料理としてマッチしたのでしょう。台所がコンパクトになり、蒸し器を使用するシュウマイよりも、餃子のほうが広く普及していったと考えられます」

 

――今ならレンチンという手軽な方法がありますが、蒸し器のほうがおいしくできるのですか?

 

「レンチンでも十分おいしいですが、やはり木でできた中華蒸籠で蒸すのが、シュウマイを美味しく食べる一番の方法です。皮に水分が程よく回って、ほわっとしたおいしさがあふれます。最近は、家庭用のタイマーつき電気蒸籠も発売されていますので、より手軽に蒸籠でむすシュウマイの美味しさが楽しめます」

 

――シュウマイを手作りされることもありますか?

 

「ときどき作ります。ウェブやレシピアプリなどでもシュウマイの作り方は多数出ていますし、そのとおりやれば、誰でも簡単に美味しく作ることはできますよ。

 

 そのなかで、共通するコツをいくつかあげるとすると、

 

・玉ねぎと混ぜる前に具材に片栗粉をコーティングすると、玉ねぎの水分が抑えられて、べちゃっとなりにくくなる

 

・包むときは木のへらを使うと、形が整えやすい

 

 あと、家で食べるときは、一般的な辛子醤油以外も試してみると、シュウマイの美味しさの幅が広がって楽しくなります。個人的には、具材が豚肉なら柚子胡椒、エビにはワサビ醤油がおすすめです。

 

 また、加熱方法も蒸すだけでなく、焼いたり、揚げたり、スープに入れたりと、いろいろ楽しむ方法があります。ぜひ試してください」

 

――シュウマイへの愛を感じます。日本シュウマイ協会を立ち上げた目的は?

 

「日本的な進化を遂げ、今や国民食のひとつに数えられるところまで定着したシュウマイの価値を、広く社会に伝えるために設立しました。シュウマイを味わう場面を増やし、より健康で幸せな人生を送ることができる社会づくりを目指します」

 

 今後は、シュウマイの日(2月26日)を普及させるため、さまざまなイベントを開催していくそうです。

 

■種藤さん最近のおすすめ東京シュウマイ5選

 

●東京焼売マニア(新橋)
●シュウマイルンバ(西荻窪)
●焼売酒場小川(渋谷)
●中華楼(浅草橋)
●七彩飯店(八重洲)

日下千帆

1968年、東京都生まれ。1991年、テレビ朝日に入社。アナウンサーとして『ANNニュース』『OH!エルくらぶ』『邦子がタッチ』など報道からバラエティまで全ジャンルの番組を担当。1997年退社し、フリーアナウンサーのほか、企業・大学の研修講師として活躍。東京タクシーセンターで外国人旅客英語接遇研修を担当するほか、supercareer.jpで個人向け講座も

( SmartFLASH )

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