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NHK朝ドラ『わろてんか』主人公は「通天閣を買った女」
芸能・女子アナFLASH編集部
記事投稿日:2017.10.23 06:00 最終更新日:2017.10.23 06:00
NHK朝の連続ドラマ小説『わろてんか』が10月2日からスタートした。ドラマのヒロイン・藤岡てんのモデルは「吉本興業」の創業者、吉本せいだ。
せいは、大阪市北区で1889年に生まれた。尋常小学校を出るとすぐに奉公に出され、そこで吉本泰三との縁談がまとまり結婚。しかしこの泰三はなかなかの曲者だったようで。
2人の孫にあたる吉本圭比子氏は、週刊朝日(2016年2月26日号)のインタビューでこう明かしている。
「私の祖父・吉本泰三はもともと大阪の荒物問屋の若旦那だったんですけれど、芸事が大好きで、芸人を連れて剣舞に興じて留守にしてばかり。折からの不景気もあって、明治44年頃に5代続いたお店を倒産させてしまいました」
このため、せいは夫を連れて実家に戻る羽目になる。
転機は翌年に売りに出されていた第二文芸館という演芸場を周りから借金しながら500円(現在の500万円以上)で買収し、寄席を始めたこと。これが「吉本興業」の始まりとされる。
吉本せいは大阪で吉本王国を作った「女傑」として有名だが、じつは初代・通天閣を買い取ったことでも知られている。
吉本興業で文芸顧問を務める竹本浩三氏は、2004年に放送された『トリビアの泉』(フジテレビ系)にてこう解説している。
「泰三は日頃から『大阪で天下をとったときは、通天閣を買い取って吉本興業のモニュメントにしたい』と言ってました」
しかし、泰三は1924年に他界。その後はせいと、せいの弟である正之助が経営し、演芸界は実質上、吉本興業の独占状態となっていった。
そしてついに1938年9月27日、せいは大阪土地建物から通天閣を買収し、泰三の夢を実現させた。ちなみに買収額は当時の価格で31万円。現在の価値に直すと17億円ほどというから驚きだ。
せいは通天閣を買収後、展望台に登り、「ここからの景色を大将(泰三)に見せたかった」と涙したとされている。
残念ながら、通天閣は5年後に火事に遭い炎上。解体後、戦争の金属調達のため大阪府に献納されたという。
せいの通天閣買収は、吉本興業の基礎を作った夫婦の愛の物語でもあったのだ。