瀧容疑者逮捕の反響を、「麻取」は織り込み済みだった。
「初犯で、本人も容疑を認めている。早期に保釈され、通常ならば執行猶予つきの判決にきの判決になる見込みだ」(前出・麻取関係者)
しかし瀧容疑者には、茨の道が待っている。ある芸能事務所関係者はこう話す。
「ピエールさんは、NHK大河ドラマ『いだてん』で、重要な役柄でした。制作費は1本5000万円から6000万円で、撮り終えている回の撮り直しで、さらに費用がかさむ。
『電気グルーヴ』結成30周年ツアーも、東京公演がキャンセルに。会場のキャンセル料だけでも莫大な金額になります。損害賠償の対象は広範囲に及び、総額は30億円規模と囁かれています。ピエールさんが、個人資産をすべて売り払っても、足りないでしょう」
NHKに確認すると、『いだてん』の代役は「検討中です」(広報部)とし、番組の放送見合わせや、内容の差し替え、オンデマンドの6番組を配信停止にするなどの対応を余儀なくされているという。
15日朝、『いだてん』の脚本を手がける宮藤官九郎氏を、日課のジョギング帰りに直撃した。「ピエールさんの件で……」と記者が問いかけると、疲れた表情で右手を振り、無言で自宅に入っていった。
静岡県に住む瀧容疑者の父親は、落胆した表情を見せた。
「見たとおり、皆から好かれる『ピエール瀧』でした。こういうことになり、私もショックでショックで……。なんでこうなっちゃうのかと思うと非常に残念です」
薬物で失ったものは、あまりにも大きすぎた。