3月17日、肺炎のため死去したロック歌手の内田裕也さん(享年79)。追悼の声は、音楽関係者のみならず、さまざまな分野から上がっており、裕也さんの人望の高さがうかがえる。
きたる4月3日には、お別れの会として「内田裕也 Rock’n Roll葬」がおこなわれることも決まった。当日の会場では、ロックミュージックが流され、日本ロック界を支えてきた裕也さんにふさわしい「ロック葬」で送り出される予定だ。
常に日本ロック界の前線にいた裕也さんは、私生活も「ロック」だった。今回本誌は、裕也さんがプライベートで来店していたというホルモン焼き店に話を聞いた。
同店が店を構えるのは、東大駒場キャンパスがある駒場東大前。店頭から渋谷のビル群が望めるものの、人通りの少ない閑静な住宅街にその店「丹虎」はある。
「内田裕也さんがいらっしゃっていたのは今から8年ほど前のことです。少なくとも2度は来店してくださいました。当時の従業員はいませんが、来店されたときの話は私も何度か伺っております」(店長)
芸能人もしばしば訪れることがある同店だが、サインをもらうことはあまりない。しかし、裕也さんのときだけは違った。突然やってきた裕也さんの、あまりのオーラの強さに、思わずサインを依頼してしまったという。
快くサインに応じてくれた裕也さんは、「TO TANTORAさん 内田裕也 Rock’nRoll! 謝」としたためた。
「裕也さんのご来店に立ち会ったスタッフは、みな口を揃えて『ロックだった』と言っていたと聞きます。たたずまいから、注文の仕方から、ホルモンの焼き方、食べ方まで、とにかくすべてが『ロックだった』と」
後日、裕也さんは直接店に電話をしたという。伝えたメッセージは「サイン汚くてゴメンネ」。そのサインは今も店内に飾られている。