それにしても、ここまで見てきて思うのが、フジの女子アナの不人気ぶり。業界人が選ぶ「嫌いな女子アナ」の15位までのなかに8人が入る異常事態だ。
「久慈暁子アナに代表される『元ミス〇〇』などの肩書を持つ、“ただかわいいだけ” の女子アナは、業界人の間でも飽きられてきている。
ルックスが目立つほど、漢字の読み書きが低レベルだったり、時事問題に疎かったりすると、侮蔑の対象として視聴者からの風当たりも強くなる。また、元ミスやタレント出身の女子アナは、学生のころからチヤホヤされてますから、性格的にわがままなケースが多い。
フジは元来、『おもしろければなんでもいい』という社風で番組を作ってきましたが、そういう姿勢も視聴者から見透かされ、制作者側からも疑問の声が上がっているんです」(制作会社関係者)
フジとは逆に、業界人が選ぶ「好きな女子アナ」で、17位までに7人が入る健闘を見せたのが、NHK。
「ひと昔前は、NHKの女子アナといえば『堅い』『つまらない』など、業界でのイメージは散々でした。衣装ひとつとっても、民放と比べてタイアップがほぼないため、お抱えの業者にまかせきりで、アナウンサーたちもそれに従って地味な印象でした。
ところが近年は、女子アナたちが衣装や髪型、メイクなども自身で研究を重ね、個性を出すようになったことで、まず見た目が華やかになったことが挙げられます。
加えて、アナウンサーとしてのスキルを徹底して叩き込まれているNHKの女子アナは、民放の女子アナにないアナウンス能力を兼ね備えている。彼女たちが、『嚙む』『言い間違える』という事例はめったにない。そこが、本物志向の業界人に支持されているのでしょう」(前出・制作会社関係者)
一般視聴者と違い、女子アナたちと「現場」で接する業界人は、彼女たちの裏も表も知り尽くしている。まして、働き方改革の影響など及びそうにないテレビ業界において、彼女たちに「一服の清涼剤」的な癒やしを求める業界人は、少なくない。
「好かれる女子アナが共通して持っているのは、スタッフに対しての口の利き方も含めた性格のよさです。たとえば、『嫌い』の4位にランクインした弘中綾香アナなどは、この口の利き方を指摘されています。
スタッフも人間ですから、最後は結局、かわいがられるツボを持っているかどうか。これに尽きるでしょう」(制作会社プロデューサー)
次のページでは、業界人が選ぶ「好きな女子アナ/嫌いな女子アナ」に加え、視聴者が選ぶ同内容のランキングを公開する。