花村さんが暴力団の会合に呼んだ芸人は、ピン芸人のSや、薬物で逮捕歴のあるT、人気デュオのK、漫才師のUなど、総勢50人にも及ぶ。一方で、呼ぶ側の暴力団も、面子がかかっていると話す。
「組織としては、誰もが知っている有名人を呼んであげないと、納得してくれない。有名なら有名なほど、『そういう芸人を呼べる』というステータスになるし、人も集まるので、組織としてより多くの収入を得られることにもなるんです」
ただ、「闇営業」の観客が、芸人を見る目はシビアだ。
「組の会合は、男ばかり。歌や芸は、あくまで退屈しのぎですよ。基本的にはどんなネタを演っても、笑いは起きません。まあ、何もないとしみったれた感じになるので、一応は盛り上げてくれはします」
だが、こうした会合は警察にマークされていた。
「3年前、ある組長の誕生日の会合に出席したら、その2カ月後に神奈川県警から電話がきました。『暴排条例違反』に問われ、4回ほど取調べを受けたんです。
警察は会合に出入りしていた人物を全員把握していました。ただ、逮捕は免れました。結局、『もう二度と暴力団が関与する会合には出演いたしません』という誓約書を書いて、許してもらいました」
以来、花村さんは「闇営業」から足を洗うことにした。
「反省していますよ。それ以降はお誘いがあってもお断わりしています。今度やるときは、覆面を被るしかないなあ(笑)」
花村さんは、多くの芸能人が明らかにしたがらない、「闇営業」との関わりを淀みなく語ってくれた。そこにはどんな仕事にも全力を尽くしてきた、芸人としての意地も感じられた。
【反社会的勢力への「闇営業」が発覚した芸人たち】
●宮迫博之
●田村亮
●スリムクラブ
●天津/木村卓寛
●ムーディ勝山
●レイザーラモンHG
●2700
●くまだまさし
●ガリットチュウ/福島善成
●ザ・パンチ/パンチ浜崎
●ストロベビー/ディエゴ
●ザブングル
はなむらじゅん
1955年生まれ 宮城県出身。吉本新喜劇に出演後、漫談や司会で活躍中。『ザ・テレビ演芸』(テレビ朝日系)にも出演
(週刊FLASH 2019年7月23・30日号)