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女子アナ花崎阿弓の婚活日記/気になったあの人はねずみ講
バラエティFLASH編集部
記事投稿日:2019.09.14 16:00 最終更新日:2019.10.07 18:49
女子アナになるのは簡単なことではありません。
最近結婚を発表された滝川クリステルさんも、大学卒業後、フジテレビアナウンサー試験を受けるも不合格になり、共同テレビに就職しました。
そこからの出向でフジテレビのニュース番組に出演し、実力をつけていきました。青山学院大学という名門大学を出て、あれほどの容姿でも、就職が難しいのがテレビ局のアナウンサーです。
私は、大学のときに118社のアナウンサー新卒採用試験を受けました。筆記試験や実技試験などはかなり難しく、何度も挫折しそうになりました。
119社目で手にしたアナウンサーという仕事。女子アナになってからの2年間は地方局をまわっていたので、地元・神戸と遠距離恋愛をしていた彼とは別れてしまいました。
結婚願望のある私は、24歳から婚活を開始しました。
婚活パーティや合コン、飲み会に毎週行く生活が始まりました。ミスコングランプリの友人やタレントの友人と、華やかなタワーマンションパーティに行ったこともあります。
ですが、結果は思うようにいかず……。
まず、一番初めに行った婚活パーティでねずみ講に騙されました。
婚活パーティで気になった人と本屋でデートすることになり、なぜ本屋なのかと思っていると、「いま僕のしている仕事を教えてあげるよ!」と、とある本を探し始めました。そして【働かなくてもお金を得る方法】といった本を手にとると、ニコっと笑って私に渡してきました。
「僕はね、ある師匠がいてその方に教えてもらった方法で働かなくても稼いでいるんだよ」
正直、私は仕事が好きで好きで仕方ないので、働かないで稼いでいる人なんてちっともうらやましくありません。むしろダサいとさえ思ったくらいです。
ただ、東京に来て初めて気になった人でもあり、相手を信用したい気持ちが強くありました。その彼に、師匠に会わせてあげるよと言われ、そのまま品川のタワマンに連れていかれました。
少し怖い気持ちもありましたが、何が起きるのかこの目で見て確かめてみたいという気持ちがあったので、ついて行きました。
マンションの部屋に入ると黒髪にスーツ姿の男性が部屋で待っていました。
「よく来たねー!」
優しそうな見た目でしたが、その瞳の奥に何か裏がありそうな感じがします。
「いつきとはどういうお友達?」
いつきとは、婚活パーティで出会った男の子のことです。
「いつき! 婚活パーティにも行っているのかい。精を出しているね」
続けて私に言いました。
「それで君は、働かないでお金を稼ぎたいの?」
謎の師匠の言葉に、私は「いえ、そんなの、思ったこともありません」と即答しました。
驚いた師匠がいつきくんをじっと睨んでいましたが、どう見てもその様子は、楽して稼ぎたい人を騙している集団らしい、と思わざるを得ませんでした。
いつきくんが、「あゆみちゃん、アナウンサーとしても稼げてないでしょ。アルバイトとかもしなきゃいけないでしょ。僕たちの集団に入れば、働かなくても収入ができるから好きな仕事だけできるよ」
自分の中に違和感が募っていきました。働かないで稼いだお金で飲んだビールって、おいしいのだろうか。この人たちの考えと私の考えは完全に違っている。
私は、この場所をどうやって去ればいいのか。
相手は、あの手この手で、ねずみ講の商品販売の入会金を払わせようとしてくるので、5000円だけ手付金を払って、二度と会わないことにしました。
そのあと、いつき君のフルネームをフェイスブックで調べたところ、5年前に同じねずみ講仲間と結婚して奥さんがいることがわかりました。
しかも、奥さんもたくさんの男性会員を入会させて、結婚しながら2人で婚活パーティに出ては、荒稼ぎしているようでした。
大好きだった地元に住む彼と別れて、新天地・東京でたった一人になって心細いなか、一番最初に、人を騙してお金を稼ぐ姑息な集団につかまってしまいました。
そこから7年ほど婚活をしていますが、まだゴール(結婚がゴールではありませんが)にはたどり着いていません。
昭和生まれの人が、結婚も出産もせず、平成を飛び越えて令和を迎えてしまった現象を「平成ジャンプ」というそうです。そんなことを言われても~と思っています。
さて、私の王子様はどこにいるのでしょうか?
●花崎阿弓(はなさきあゆみ)
1988年生まれ。武庫川女子大学卒業後、ケーブルネット鈴鹿、静岡エフエム放送で女子アナに。現在はフリーアナウンサーとして活躍中。夢は『news zero』で原稿を読むこと。通称「ケーブルテレビ界の水卜ちゃん」