芸能・女子アナ
ミニスカの元祖「野際陽子」を育てたフランス留学
芸能FLASH編集部
記事投稿日:2017.06.16 11:00 最終更新日:2017.06.16 11:00
女優の野際陽子が肺腺ガンのため亡くなった。81歳だった。
現在放映中のドラマ『やすらぎの郷』(テレビ朝日系)ではアクティブに動き回る老女優を演じており、残念ながら、この作品が遺作となった。
野際は、立教大学を卒業後に入局したNHKを4年で辞め、フリーアナウンサーを経て女優へ転身。留学資金200万円を貯め、1966年、30歳のときにフランスのソルボンヌ大学文学部へ留学している。
フランス滞在中に出会ったのがミニスカートだった。かつて新聞のインタビューでこう語っている。
「パリでは(19)66年の夏ごろから、女の子のスカートが短くなった。私はお金がなかったので、日本から持っていったスカートを自分で裾上げして着ていました。
67年3月の帰国前に、(購入するかを)ずっと迷っていた鮮やかな若草色のミニ丈のワンピースとコートを奮発して買いました。その格好で帰国したのですが、日本ではミニがはやる前でしたから、ご覧になった人は驚かれたと思います」
思い切りのよかった野際は、持っているスカートをすべて短くしてしまい、そのままテレビの仕事をした。街行くおじさんからは「短けぇなぁ」と声を掛けられたこともあるという。
野際は、高校生のとき、シャンソンの流行に影響を受け、ロマン・ロランなどのフランス文学やジャン・コクトーの映画に熱中した。「子供の作り方を知ったのもフランス文学だった」と、冗談とも本気ともつかない発言をしているほどだ。
先のインタビューでは、ミニスカについて続けてこう語っている。
「戦中のもんぺからミニまではいた世代として、今から思い返せばミニは自由と平和の象徴だった。当時は意識しませんでしたが、解放感を味わっていたのだと思います」
9歳で敗戦を迎えた野際。日本で感じていた息苦しさを解放してくれたのは、憧れのフランスだった。そして、野際はミニスカの元祖となり、日本に凱旋したのだ。