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遺体袋は高騰、遺骨は郵送…葬儀社社員だって「ツラいんです」社会・政治 投稿日:2020.05.06 06:00

遺体袋は高騰、遺骨は郵送…葬儀社社員だって「ツラいんです」

防護服に身を包んだ「たかほう葬祭」の従業員。扉の奥は遺体安置室で、現在はコロナ陽性の遺体が1体、安置されている

 

「使い捨ての医療用防護服が手に入らず、工事現場で使うような簡易な防護服や、塗装用のゴーグルを代用品として使っていますーー」

 

 そう語るのは、東京都板橋区で、遺体安置室を完備する葬儀会社「たかほう葬祭」を経営する浜島貴一氏(48)だ。

 

 

 コロナ禍で称賛を集める、医療従事者たちの献身ぶり。だが、“必要” “緊急” の対応で苦労しているのは、医療現場ばかりではない。“コロナ遺体” を扱う葬儀業界も、苦しい状況に立たされているという。

 

「どこの葬儀社にも断わられ、相談に来られるご遺族様がいらっしゃいます。現在、弊社ではコロナ陽性の故人を受け入れていますが、東京近郊の葬儀社だと7割近くの会社が、いまだに『検討中』のようです。受け入れの準備が整っていないせいもありますが、正直なところ儲からないんです。

 

 コロナ陽性のご遺体を引き受ける際は、火葬のみをおこなう “直葬” になります。ご提示できる葬儀代は、20万円弱。利益は半分の10万円程度ですから、コロナという未知の感染症に対し、その金額で請け負うリスクに、二の足を踏んでいる葬儀社が多いのでしょう」(浜島氏、以下同)

 

 では具体的に、“コロナ遺体” の葬儀とは、どのようなものなのか。

 

「そもそも、“3密” を避けるため、大規模な葬儀はできません。加えて、ご遺体からの感染リスクがあるので、厳重な取り扱いが必要です。

 

 まず、弊社で棺を用意し、防護服を着て病院にお迎えにあがります。ご遺体を専用の納体袋に納め、棺を密封して搬送。弊社の安置室にご安置したのち、火葬場にお運びします」

 

 遺族は、火葬に立ち会うことも許されていない。

 

「ご遺族様は敷地に入るのも控えてもらうように、火葬場から通達が来ています。なので、代わりに私どもがお骨を拾わせていただき、ご遺族様にお渡ししています」

 

 故人がコロナ陽性だった場合、当然その遺族は「濃厚接触者」である可能性がある。

 

「スタッフの感染リスクを避けるために、事前の打ち合わせも電話でおこないます。遺骨をお渡しする際も、火葬場の駐車場にて短時間ですませたり、遠方にお住まいで故人と濃厚接触していないご兄弟様に、わざわざ来ていただくケースもあります。

 

 遺骨の郵送サービスもおこなっているので、今後、積極的にご提案する予定です」

 

 遺族からは、さまざまな問い合わせがあるという。

 

「志村けんさんの報道の影響か、ご遺体と対面できないことについては、ご理解いただけています。むしろ、『故人がコロナで亡くなったことが周囲にバレないか』と、不安の声をいただくことがあります」

 

 このように、特殊な対応が必要な “コロナ葬儀” だが、その手法は葬儀社に委ねられているのが実情だ。全国でセットプランの葬儀を手配する「小さなお葬式」の株式会社ユニクエスト営業部・渡邊昌樹氏(43)は語る。

 

「行政からの統一した指導は、いっさいありません。各市区町村から、葬儀の自粛要請が届くのみ。各社の自助努力で、なんとかしている状態です」

 

 前出の浜島氏も苦境を訴える。

 

「ご遺体を納める専用の袋は、3000円だったものが1万円まで高騰しています。今後、お取り扱いするコロナのご遺体が増えるなら、スタッフへの特別手当も増額したいです」

 

 葬儀社の苦境は、当分の間、続きそうだ。

 


(週刊FLASH 2020年5月12・19日号)

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