「こんな手紙を受け取って、思わず失笑してしまいました。現場のことをまったくわかっていないからです」
そう語るのは、茨城県の産業廃棄物処理会社の社長。「手紙」とは、小泉進次郎環境大臣(39)が全国の廃棄物関係事業者団体宛に送付した “感謝の手紙” だ。
【関連記事:30年後の自分は何歳かな…小泉進次郎「ポエム」の実力検定】
文面を見るだに、お得意の“ポエム”が炸裂していると知れる。新型コロナの感染拡大が収束しないなか、閣僚としてプレゼンスを示すのに苦労しているさまが伝わってくる。政治部記者が語る。
「力を入れる二酸化炭素排出削減をめぐる国際的な議論も中断されているし、環境省内のテレワーク実施率を7割まで上げるなど、時局に合わせた改革を実践しているが、ほとんど報道されない。見せ場に困っているんでしょう」
苦肉の策として考案したのが、“手紙作戦” というわけだ。
「コロナ禍で家庭ごみが増加したり、廃棄物処理業者が感染の危機に晒されるなか、環境大臣として何かできないかと、自ら発案したそうです。文案は役人が作成し、小泉氏自身が推敲して仕上げたそうです」(環境省担当記者)
大臣肝いりの文書について、環境省は「厳しい状況下においても日々の廃棄物の処理に従事されているすべての皆様に対し、感謝の意をお伝えする趣旨で発出したものです」と話すが、前出の産廃処理会社社長の反応は手厳しい。
「政府は医療従事者には手厚くサポートするのに、私たち産廃業者のことはなおざりです。雇用に対する助成や、危険な業務をしていることに対する補償など、ほかにもっとやるべきことがあるはず」
じつは当の環境省内でも、小泉大臣の評判は芳しくない。自民党関係者が明かす。
「“クールビズ” をはじめ、環境省では20件ほどの啓発週間を設けているのですが、その多くを廃止すると言いだしたんです。党や官邸も寝耳に水だと猛反発しています。しかも、“動物愛護週間” は残すと言っていて、動物保護に熱心な妻・滝川クリステルさんの影響ではと呆れられています。
新しい政策をぶち上げては、各方面から猛反対を食らって撤回するような事例が相次ぎ、幹部たちも困り果てている。彼の入閣を仕掛けた菅義偉官房長官も、とうとうサジを投げたそうです。小泉氏としても、誰にも迷惑をかけないパフォーマンスをするしかないということから、今回の手紙に繋がったのでしょう」
別の自民党関係者は、父親との違いを指摘する。
「最初に耳目を集めるようなお題目をぶち上げるのは、小泉純一郎氏と同じ流儀ですが、彼は裏できちんと根回しをしていたんです。それができない進次郎氏は、味方を失っていく一方なんですよ」
夢を語る前に現実を直視すべきかーー。
(週刊FLASH 2020年5月26日号)