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遺体管理学者が告発「コロナ死を隠した闇葬儀」50件近くも社会・政治 投稿日:2020.05.27 06:00

遺体管理学者が告発「コロナ死を隠した闇葬儀」50件近くも

透明な納体袋を用意した神戸市。遺族らが袋越しに故人と対面できる

 

「新型コロナの感染で亡くなった方に対して、ほかの死因で亡くなった方と同じように、葬儀をおこなう業者がいるんですよ。参列者が、遺体から新型コロナに感染する危険性が高く、非常に危険です」

 

 そう告発するのは、中国・長沙民政職業技術学院で、遺体管理学を教える伊藤茂教授(61)だ。

 

 

「志村けんさんや岡江久美子さんの例のように、新型コロナで亡くなった方の遺体は、病院から火葬場に直接運ばれ、“直葬” されるのが当然です。

 

 遺体は、病院で感染症専用の納体袋に入れられるので、葬儀業者も遺族も遺体には直接触れず、袋ごとそのまま火葬するはずなんです。厚生労働省も、そのように指導しています」

 

 だが、わざわざ袋から遺体を取り出して、“闇葬儀” をおこなう業者が複数あるという。

 

「理由は3つあります。1つめは、遺族からの『周囲にコロナ死だとバレたくない』という強い要望です。日本では、身内に感染者がいると、白い目で見られてしまう。直葬にすると、なぜ葬儀をおこなわないのか、と不審がられるのです。

 

 2つめは、葬儀会社の金儲け。死因を隠すのに協力するからと言って、葬儀代を吊り上げるんですよ。3つめは、“うちには特殊な技術がある” という売名目的です。大っぴらに、“コロナ遺体の葬儀をおこないます” と告知している業者もいます」

 

 実際、都内の葬儀会社A社は、SNSで「このたび新型コロナウイルスで亡くなられたとしても、最後にご遺族と故人様が対面していただけるサービスを提供させていただくことを決定」したと、4月22日に告知している。

 

 同社に問い合わせると、遺体の防腐処理をおこなう「エンバーミング」によって、遺体から新型コロナウイルスを除去できると説明した。防護服を着用し、室内消毒などもおこなっており、安全対策に努めているという。

 

 すでに、ダイヤモンド・プリンセス号で感染し、亡くなった男性の遺体に施術し、現在も問い合わせが来ているとの回答だ。だが伊藤氏は、こう話す。

 

「安全性を保証したエンバーミングは、大学病院レベルの専門施設であれば可能ですが、民間の施設では不可能です。二重扉を設置した完全な陰圧室と、特殊な排気フィルターが必要ですが、民間施設にはありません。

 

 それに、新型コロナによる肺炎を起こした肺をエンバーミング処理しようとしても、ホルマリン液が、なかなか肺に入っていかない。エンバーミング処置をおこなったうえで、遺体を2週間ほどそのままにしておけば、感染の危険性は低くはなりますが、葬儀会社が遺体をそこまで長く保管しておくことは、まずないと思います」

 

 国内のエンバーミング業者の団体である日本遺体衛生保全協会も、「新型コロナに感染した遺体のエンバーミングは、推奨しない」と話す。

 

「エンバーミングをおこなう者の感染リスクもあります。最終的には各業者の判断になりますが、ほとんどの業者はおこないません」(事務局長)

 

 5月22日現在、国内の新型コロナ感染の死亡者数は、802人にのぼる。このうち、50件近くの “闇葬儀” がおこなわれたと、伊藤氏はみている。

 

「葬儀会社のなかでも、上場企業など大手は感染リスクを恐れて、新型コロナに感染した遺体は受け入れていません。

 

 A社も含め、“闇葬儀” をおこなっているのは、リスクを冒してでも利益をあげる必要がある零細業者ばかり。病院や火葬場を規制する法律はあっても、葬儀会社については、認可も届け出も必要ないのが現状です。

 

 そもそも、中国や韓国には『死体管理法』という法律があり、感染した遺体の処置について、法律で定められています。しかし日本は、性善説に立って、遺族による “コロナ隠し” を想定していませんでした。

 

 今回のコロナ禍では、いち早く行政が遺体を扱う葬儀会社を指定し、遺体の取り扱いルールを決めるべきだったんです」

 

 政府の新型コロナ対策は、“要請” と “お願い” ばかり。遺体の取り扱いも例外ではなかったーー。


写真・朝日新聞

 

(週刊FLASH 2020年6月9日号)

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