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六代目山口組「司忍組長」墓参直前に起きた北海道抗争

社会・政治 投稿日:2016.07.28 06:00FLASH編集部

六代目山口組「司忍組長」墓参直前に起きた北海道抗争

7月23日、墓参に姿を見せた六代目山口組・司忍組長

 7月23日、分裂後初の三代目山口組田岡一雄組長の命日を迎えた。田岡組長といえば山口組中興の祖ともいうべき人物。執行部による墓参は例年の大切な行事だ。

 

 この日の午前中、六代目山口組側は司忍組長ら執行部が神戸市灘区にある霊園を訪れ、墓参を執りおこなった。

 

 

 その直前に、北海道ではまた新たな抗争事件が起きていた。

 

 7月21日午前1時ごろ、札幌市北区にある神戸山口組傘下五龍会・青木和重会長(52)の自宅に、乗用車がバックで突っ込んだ。車はフェンスを突き破り、車庫のシャッターに衝突。運転していた人物はそのまま逃走したという。使われた車は、1時間前に市内のコンビニで盗まれたものだった。

 

 青木会長は、もともと札幌にある六代目山口組直参の誠友会幹部だった人物。それが2015年末から2016年にかけ絶縁処分を受け、その後、五龍会の会長として神戸山口組に移った。

 

 ヤクザ界に詳しいジャーナリストは言う。

 

「青木会長は、7月8日に開かれた神戸山口組の定例会に、直参として初めて出席したばかりでした。その青木会長の自宅に『車特攻』を仕掛けたということは、青木会長の神戸側移籍に腹を立てている者がいるということでしょう。

 札幌での抗争は初めてのこと。シノギの問題もあって『神戸側には勝手な真似はさせない』という意味がこめられているはずです」

 

 神戸山口組直参の池田組若頭が5月31日に岡山県で射殺され、六代目山口組の中枢である弘道会系組員が逮捕されて以降、六代目側、神戸側双方の執行部は、抗争につながるような行為をしないように傘下団体を厳しく指導してきた。事件の意味は大きいという。

 

「六代目側執行部の抑えがきかなくなっているということではないか。ただ、はっきりとした報復行為は、双方が特定抗争指定暴力団に指定される時期を早めるだけだ。我々ヤクザとしては、全体の締めつけがいっそう厳しくなるだけに『よけいなことをしてくれた』と思っている」(暴力団関係者)

 

 7月15日には、名古屋で神戸山口組傘下の元組員が射殺される事件も起きている。白昼の午後4時40分ごろ、名古屋市中区のマンション4階の一室に2人組が押し入り、中にいた斉木竜生元組員(64)を射殺したのだ。犯人は7月22日現在、逮捕に至っていない。

 

 じつは斉木元組員は、4年前に覚せい剤取締法違反容疑(使用)で逮捕され、神戸山口組傘下の山健組が絶縁状を出していた。刑務所から出所後、数カ月しかたっていなかったという。

 

「六代目山口組と神戸山口組の幹部は、今回の射殺事件は、組織とも抗争とも関係がないと即座に否定しました。神戸側の山健組は、斉木元組員の葬儀にはいっさい出てはならないと通達を出したぐらいです。事件はクスリ取引の揉め事ではないかとみられています」(前出のジャーナリスト)

 

 ところが、愛知県警は斉木元組員を現役の組幹部だとして、抗争に絡んだ事件の可能性を示唆した。

 

「県警によると、斉木元組員が出所後、以前所属していた組事務所に出入りしていることを確認していて、絶縁処分が出ていることは承知していないといいます。なんとしても抗争を原因にしたいのかもしれません」(前出のジャーナリスト)

 

 分裂から1年を迎えるが、両者の歩み寄りはまだ遠い。

(週刊FLASH 2016年8月9日号)

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