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トランプ大統領が自慢した「コロナ特効薬」大量在庫に悩む
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2020.06.18 19:00 最終更新日:2020.06.18 19:00
トランプ大統領が、新型コロナに効く「ゲームチェンジャー(特効薬)」として売り込み、自身も服用していた抗マラリア薬のヒドロキシクロロキンが、国の備蓄庫に6300万回分も保存されていることがわかった。関連薬品のクロロキンも200万回分の在庫があるという。
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ヒドロキシクロロキンは、新型コロナウイルスに対して効果がないとFDA(食品医薬品局)が緊急使用の許可を6月15日に取り消し、WHOも17日にテストを取りやめた。フランス政府はコロナに対する使用を禁止し、医学誌『ランセット』の論文は撤回されている。
効果が疑問視されるなかで、アメリカはブラジルに200万回分のヒドロキシクロロキンを寄付したが、まだまだ大量にある在庫に関しては、今後、製薬会社らとともに協議して対応を決めるという。
大統領がこの薬に固執した背景には、ファミリーが製薬会社へ投資している、大統領の強力な支持者と関連があるといった報道も見られるが、真相は不明である。
コロナ関連の大量在庫といえば、アメリカでは人工呼吸器も大きく余っている。
3月、アメリカのビッグスリーと呼ばれる大手自動車会社フォード、GM、フィアット・クライスラーが人工呼吸器の製造に乗り出し、4月にゼネラル・エレクトリックやフィリップスにも増産命令がくだされた。
5月末、日本政府は「第2波」に備え、アメリカから人工呼吸器1000台程度を輸入すると公表している。アメリカの在庫はそのまま日本へ……という形になっており、ヒドロキシクロロキンも日本に押しつけてしまえ、とならないことを祈りたい。