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弁護士から国会議員へ…元榮太一郎が語る「選挙と政治」舞台裏

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2020.07.05 11:00 最終更新日:2020.07.05 11:00

弁護士から国会議員へ…元榮太一郎が語る「選挙と政治」舞台裏

 

●政治活動は「リクルート期間」経営者視点でPDCAサイクルを導入

 

 議員になる前の政治家の活動には、公示後の「選挙活動」と、それ以外の期間の「政治活動」がある。

 

「選挙に当選するまでは、とにかく人前に出ることと歩くことを重ねて、名前を覚えていただくのが仕事です。僕は2015年9月ごろから、政治活動で平日毎朝、千葉県内の駅頭に立ちました。1~2月の一番寒い時期でも、コートや手袋はナシです。

 

 政治活動中は、『リクルート活動期間』だと捉え、就職活動のときのような濃紺のスーツを着て、たくさん歩くことを考え、ゴム底の革靴をはきました。それに、僕のパーソナルイメージカラーに決まったオレンジ色のネクタイと、『温かさあふれる政治』と書いたタスキ。この4点セットで、立ち続けました」

 

 駅立ちでは、ひたすら通行人に声をかけながらビラを配る。そのときも、経営者らしい視点が活かされていた。

 

「政治活動中は、『どうしたらビラを受け取ってもらえるのか』ということばかり考えていました。事業と同じく、PDCAサイクル(Plan、Do、Check、Actionの4段階でおこなう継続的改善手法)を取り入れて。毎日分析しながらやっていくうちに、『どういう人・条件なら受け取ってもらえるか』が、すごくよくわかるようになりました。

 

 じつは一番の狙い目は、選挙権のないチビっ子です。子連れのお母さんや家族連れが歩いてきたら、まっ先にチビっ子に『お母さんと見てね』と渡します。すると、ほとんど受け取ってくれるんです。それから、ご年配の方。政治への関心が比較的に高いので、受け取ってくださる率が高いですね。

 

 顔を見て目が合う方も、確率は高いですね。興味のない方や受け取りたくない方は、見ないようにするか目をそらしますから。そして、歩くスピードも大事なポイントです。ゆっくり歩いている方のほうが、やはり受け取ってくださる可能性が高くなります。

 

 配り方のポイントは、名刺交換と同じように、まず一礼してから渡します。『はじめまして』と言うと、受け取ってもらえる可能性があがる。そのときに、元気よくいくのが大事です。ヌボっと近寄られると、気味悪いですよね。『ハイッ!』と切れ味良くいくと、反射的に取ってくださることも多いですね。

 

 それから、向かって右から来る人には右手で、左の人には左手で渡して、ちゃんと渡す方の正面にビラを差し出す。あと、これは裏技ですが、エレベーターに乗ろうとされている方に、ボタンを押して差し上げると、ほとんど受け取ってもらえます(笑)」

 

 政治活動のなかで一番つらかったのは、意外にも、人前でしゃべることだった。

 

「駅立ちを始めたころ、初めての街頭演説に臨むときのことです。『街なかでマイクの大声で何をしゃべればいいんだ』と憂鬱でした。

 

 切れ目なくしゃべる方法も、どんな顔して手を振ったらいいかも、想像がつかなかったんですよ。ふつうに生きていたら、やりませんよね(笑)。それで前日に、先輩議員と2人で、カラオケボックスにこもって練習し、なんとか形になりました。

 

 それから、党の先輩の紹介で、まだよく知らない業界団体の会合に行くこと。ひと言ご挨拶をするのですが、これがとても大変で。というもの僕は、秘書経験も世襲環境もなく、ただの民間人でしたから、どこへ行っても “異世界状態” だったんです。

 

 しゃべる内容のベースは、秘書が下原稿を考えてくれますが、覚えて話すだけですと気持ちが伝わりませんので、毎回、自分の言葉に置き換えて、“らしさ” が出るようします」

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