8月2日、初登庁した小池百合子東京都知事。選挙期間中の緑の「戦闘服」を脱ぎ、白いジャケットに青のインナーという出で立ちで登場した。そして、3日の内閣改造で入閣した女性大臣たちも、なぜかブルーで競艶。
小池氏と同じ白のスーツに青のインナーという姿で就任会見に臨んだのは丸川珠代五輪担当相。皇居での認証式には、同じく青色をあしらったドレス姿で、稲田朋美防衛相と高市早苗総務相が姿を現わした。
この3人のなかでは、高市氏が小池氏といちばん険悪とされる。
「小池さんを嫌う森(喜朗)さんに可愛がられたのが高市さん。だから彼女も小池さんが嫌い。しかも、初当選はほぼ同じ時期なのに初入閣は小池さんが3年早い。ライバル心が芽生えて当然だ」(自民党関係者)
東京五輪組織委員会会長を務める森元首相が、小池氏を毛嫌いしているのは有名な話。2人はリオ五輪の閉会式で席を並べることになるが、
「閉会式後の帰国便で、小池さんが自分と同じ“青(全日空便)”に乗ると聞いた森さんは、急遽『“赤(日航便)”に変えてくれ』と言ったそうです(笑)」(自民党国会議員)。
五輪組織委は「そういった事実はございません」と否定するが、2人が犬猿の仲というのは周知の事実。だが、その森元首相も、ついに小池氏にすり寄り始めた。
当初、都との連携は「小池さん次第」と突き放していた森氏だが、開会式から帰国後の8月9日、小池氏と会談しているのだ。
2人が会ったのは、組織委のオフィスがある東京・虎ノ門ヒルズ。もともとツーショット撮影は予定されていなかったが、小池氏が到着する前に姿を見せた森氏が職員を叱責し、急遽テーブルとイスを用意させた。森氏みずから、小池氏を出迎える形を取らせたのだ。
小池氏を待つ間、森氏は「花嫁を待ってるんだ」とおどけて見せる一幕も。そして、小池氏が現れると、森氏は立ち上がって握手を求め、笑顔で歓迎した。
報道陣に公開された冒頭取材で森氏は「こういうふうに(2人で)話すのは何十年ぶりかな」と、冗談めかしながらこれまでの疎遠さに触れた。
すると小池氏は「私、そんなに生きてませんよ。(国会議員の初)当選から24年です」と苦笑。森氏は「じゃあ10年ぶりくらいかな」と応じる。
森氏は、小池氏が協会会長を務めるウエートリフティング・三宅宏実の銅メダル獲得などを喜び、仲睦まじさを演出。報道陣もびっくりの笑顔連発だった。
非公開の会談後、囲み取材に応じた小池氏は、森氏の「花嫁発言」について問われ、「大年増ですけどね」とおどけてみせ、こちらも友好ぶりを見せた。
「五輪予算は当初の7千数百億円が約3兆円に膨らむ見込みです。その元凶の一人が森氏といわれる。結局、五輪開催は東京都の『財布』頼みです。極端にいえば、最後は媚を売るくらい小池都知事にすり寄らざるをえないんです」(政治部デスク)
かつて小池氏に「スタンドプレーはするな」と叱責した森元首相。さすがにチームプレーのやり方はよくわかっているようだ。