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中国・人民解放軍のサイバー民兵は800万人
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2016.08.20 08:00 最終更新日:2016.08.20 08:00
アメリカにとって、最重要のテーマが、中国による「サイバー攻撃」である。
2015年6月には米国の公務員約400万人分の個人情報がサイバー攻撃によって流出したことが発覚。7月には米政府のコンピュータがサイバーテロに遭い、2150万人分の個人情報が流出していたことが公表され、サイバー攻撃の被害では米国史上最大となった
。 米政府はいずれも中国による「国家ぐるみ」の関与とみている。2014年5月、米司法省は原発や鉄鋼、太陽電池関連企業のシステムに不正侵入し、機密情報を搾取したとして、中国人民解放軍「61398部隊」所属の将校5人を起訴、指名手配している。軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏が解説する。
「上海に本部を置く61398部隊は、対北米のシギント(通信傍受)を専門とする人民解放軍総参謀部第3部第2局のサイバー部隊です。高度なIT技術を有し、対象国の言語や社会情勢にも精通する数百名の要員を抱えています。
軍全体で数千から1万人規模のサイバー兵が存在し、傘下に民間の大学や情報関連企業で働く800万人のサイバー民兵を擁しているといわれます」
日本も中国のサイバー攻撃の標的だ。2011年には総務省などの中央省庁や三菱重工、川崎重工、IHIなどが大規模なハッキングを受けている。
2015年8月には日本年金機構の個人情報101万人分が流出した事件もあった。これらのサイバー攻撃に関与したとされるのが、人民解放軍総参謀部第3部の「61419部隊」だとみられている。
「この部隊は、日本からの電波を傍受しやすい山東半島の青島に拠点を置いています。動機や作戦規模から同部隊の犯行である可能性がもっとも高いと思います」(黒井氏)
中国は「われわれもサイバー攻撃の被害者だ」と言い続けてきた。米中首脳会談では「政府がサイバー攻撃を容認しない」ことで、一応の合意を見たが、オバマ大統領は「本当に進展があるかは、今後の状況を見ていかねばならない」とクギを刺している。
アメリカはけっして中国を信用していない。
(FLASH+ 2015年12月5日増刊)