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「商船三井」重油流出事故…日本はたった6人派遣で世界が失笑
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2020.08.18 06:00 最終更新日:2022.12.07 18:54
8月上旬にサンゴの海への重油流出が確認されてから、10日あまり。商船三井が運航していた貨物船の座礁事故の影響は、計り知れない。
「事故のあったモーリシャスは、インド洋に位置し、東京都とほぼ同じ面積の島国です。日本からの直行便はないものの、ハネムーン先として人気です」(旅行会社エス・ティー・ワールドの担当者)
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同国の主要産業である、観光への影響は甚大だ。気になるのは、賠償問題。海事事件に詳しい、戸田総合法律事務所の山本剛也弁護士が解説する。
「座礁した貨物船『WAKASHIO』は、岡山県の海運会社・長鋪汽船の子会社が所有していました。船から油が漏れた場合、一般的には船の所有者の責任になります」
賠償責任を負うのは、長鋪汽船の子会社なのだ。
「賠償額は、船のトン数により上限が条約で決められており、適用される条約によりますが、本件では70億円または20億円程度になります。同社は保険に加入しており、商船三井が法的に賠償を強制される可能性は低いでしょう」(同前)
日本政府は、国際緊急援助隊と専門家、計6人を現地に派遣。だが、海外の反応は……。
「only send 6people!」
たった6人かよ! と世界中からツッコまれた。これに反論するのが、“ヒゲの隊長” こと佐藤正久参院議員(59)だ。2018年には、外務副大臣として同国を訪問。ジャグナット首相と会談した、“モーリシャス通” である。
「2017年に日本大使館を開設したばかりでしたし、ショックですよ。マグロも獲れる国ですしね。
今回の6人の派遣は、あくまで先遣隊。コロナ禍で国際便がほぼ飛んでいませんし、モーリシャス国内もロックダウンされています。今は、行くだけで大変ですからね」
すでに旧宗主国のフランスが軍用機を派遣しており、日本チームも合流するという。
「まずは重油の回収は、現地の方に人海戦術でやっていただくしかないんです。その後、日本から環境を回復させる専門家を派遣し、残った重油の回収に向けた資金・技術支援をすべきでしょう。
現在支援に動いているのは、フランスと日本だけです。いずれ米国も動いてくれるでしょうが……」
日本は加害者だ。率先して支援しなければならないのは、当然だろう。
写真・AFP/アフロ
(週刊FLASH 2020年9月1日号)