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新型コロナ「後遺症」と「差別」ポテチと白米が判別できない

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2020.09.07 06:00 最終更新日:2020.09.07 06:00

新型コロナ「後遺症」と「差別」ポテチと白米が判別できない

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 2020年8月下旬の時点で、日本国内での新型コロナウイルスの累計感染者は、6万5000人を超えた。日を追うごとに増え続ける感染者数だが、注目したいのは退院者の総数。すでに、およそ5万2000人以上が、症状が回復して退院している。

 

 そうした “元感染者” たちは、どのように暮らしているのか。本誌が彼らを訪ねると、現在も後遺症に苦しめられるばかりか、職場はおろか家庭でも、“排除” され、「感染」の事実を言えない日々を過ごしていたーー。今回は、IT企業勤務の男性・Eさん(36)の話を聞こう。

 

 

「4月中旬、お昼にコンビニの弁当を食べているときに、強い違和感を覚えました。味がしなくて、何を食べているのかがわからないのです」

 

 Eさんは、そう語る。味覚の異常に気づいた瞬間の描写が、生々しい。

 

「健康志向の強い妻が作った弁当に慣れているので、味つけが濃いコンビニの弁当の味がしないはずがない。おかしいと思って、会社の体温計で熱を測ると、37.5度ありました。

 

 すぐに病院に行き、紹介状を書いてもらって、PCR検査を受けました。2日後に陽性診断が出ました。それから1週間ほど自宅療養を続けました。でも、熱が上がったり下がったりの繰り返しで、いっこうによくならない。その後、国立国際医療研究センター病院に入院しました。

 

 入院中は、とにかく免疫力をつけるのが必要だということで、ひたすら横になって徹底的に体を休めました。夜になると熱が高くなるので、解熱剤をもらっていました。入院しているという安心感も大きかったのか、入院して6日後には熱も下がって退院となりました。

 

 ただ、後遺症として、今もって味覚が回復していないのが悩み。ポテトチップスと白米の味の違いがわからないのです」

 

 Eさんにとっての、せめてもの幸運は、仕事がIT関係であったことだ。退院後の職場への復帰に関しては、上司からの指示もあり、完全リモートワークに移行するということで、影響は比較的少なくてすんだ。それでも差別への恐れは、Eさんにとっても、けっして無縁のことではなかった。

 

「妻からは、『コロナで入院したということを、近所には絶対に明かさないで』と言われました。私の入院中、妻は近所の人に、私が地方に出張に行っていると説明していたようです」

 


(週刊FLASH 2020年9月15日号)

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