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菅新首相が謀る「安倍首相への逆襲」派閥・側近を切り崩し…
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2020.09.15 06:00 最終更新日:2020.09.15 06:00
ついに、内閣総理大臣まで上り詰めた菅義偉氏(71)。7年8カ月の間、官房長官として黙々と安倍晋三首相(65)に仕えてきたが、「じつはその胸中に怨恨を抱えていた」と明かすのは、菅氏の側近議員だ。
「政権発足以来、閣議前に安倍総理と菅さん、3人の官房副長官と、今井尚哉補佐官兼秘書官が集まって会議を開くのが習わしでした。しかし2019年秋から、先に今井補佐官と安倍総理だけで打ち合わせをすませ、その結果が会議に諮られるようになった。
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それは、“令和おじさん” として台頭した菅さんを、安倍総理と今井補佐官が警戒したからです。以降、菅さんは、不愉快そうに官邸の会議について話していました」
第2次安倍政権では、経済産業省出身者を中心とする “官邸官僚” が幅を利かせていた。菅氏が、安倍首相とそうした側近への “逆襲” を始めると、永田町がざわめいている。
「安倍総理は、『今井ちゃんを引き続き使って』と菅さんにお願いしたそうだが、菅さんにしてみれば、今井から敵視され続けたばかりか、新型コロナウイルス対策から自分が外された経緯がある。今井は国内に残れればいいほうで、大使として海外に出されるという話もある」(自民党幹部)
“菅新首相” にとって、最大派閥・清和会(細田派)を事実上ひきいる安倍首相が “キングメーカー” として振る舞いだすことは、自身の政権運営にとって邪魔でしかない。
「新政権でキャスティングボートを握るのは、所属議員98人を擁する清和会。今も昔も、永田町では “数は力” だよ。今後、解散総選挙に打って出たとしても、劇的に “菅派” の数が増えることはなく、菅さんの党内基盤は弱いまま。
その菅さんが、閣僚・党役員人事で『派閥の要望は受け付けない』と発言したのは、最大派閥である清和会への宣戦布告にほかならない。菅さんは今後、“安倍派” となる清和会の分裂工作を加速させるだろう」(同前)
この自民党幹部は、「今回、総裁候補を出せなかったことが、清和会の終焉が近いことを物語っている」と悲観しつつ、こう続ける。
「後継総裁候補がまったく育っていないし、議員から会費を頻繁に取るほど、いまの清和会にはカネがない。それでも、派閥の結束力さえあれば、安倍さんが体を治して戻ってきたあとに、菅政権に影響力を及ぼすこともできる。
しかし、安倍さんの院政を許さない菅さんや二階(俊博)幹事長が、萩生田(光一)さんや稲田(朋美)さんを要職に起用して焚きつけて、派閥が割れるように仕向けるだろうね……。そうなれば、安倍さんの戻る場所はない」
安倍首相を “ぼっち化” し、唯一の権力者となったあかつきに、どんな国を作るのか。元衆院議員の亀井静香氏は、「外交についての発言がないだろ。菅の国家観は、どうにも見えてこないわな」と警鐘を鳴らす。
菅氏は長年、好きな歴史上の人物として、豊臣秀吉を補佐してきた弟・豊臣秀長を挙げていた。しかし、「いまは秀吉を目指している」と、支援者との会合で漏らす。
非情な手段も辞さない新宰相の手練手管は、やはり空恐ろしい。
(週刊FLASH 2020年9月26日・10月6日号)