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赤旗日曜版編集長が告白「桜を見る会」スクープに“自民党員の協力”

社会・政治 投稿日:2020.09.21 21:01FLASH編集部

「共産党には、日本中に地方議員と党員がいます。その方たちは、地域のさまざまな活動を通じて、保守系の人たちとも一定の信頼関係を築いています。そのルートから後援会の人たちを紹介してもらいました。さらに我々にとって追い風だったのは、『公然とやっている恒例行事だから』と、後援会の方々に罪悪感や後ろめたさがなかったこと。私たちの取材にも応じてくれ、安倍事務所が関与していることを示す証拠資料なども入手できました」

 

 こうして「赤旗」日曜版は、2019年10月13日号で「桜を見る会」私物化疑惑をスクープ。「首相主催『桜を見る会』安倍後援会御一行様ご招待」「税金でおもてなし」「地元山口から数百人規模」などと報じた。ただし、報道後の反応は期待外れだった。

 

「どのメディアも、すぐには後追いしてくれませんでした。我々としては、渾身の――ホームランとは言わないまでも――ヒットかなと思っていたのですが……。11月8日には、田村智子参院議員が参院予算委員会で質問しました。田村議員は各メディア向けに資料を用意していたのですが、問い合わせは少なく、とても歯がゆかったですね」

 

 ところが11月11日、野党共闘での追及チームが発足すると、翌12日からワイドショーが大きく取り上げはじめ、その後は連日報道されるようになり、大きな社会問題に発展した。

 

 2020年に入り、安倍氏を告発する動きも出てきた。1月14日に上脇博之・神戸学院大学教授らが安倍氏を背任の疑いで東京地検特捜部に告発。5月21日には弁護士や学者らが、前夜祭開催は公職選挙法と政治資金規正法に違反するとして、安倍氏と後援会幹部らを告発したが、いずれも受理されていない。

 

 山本氏は、「赤旗」のスクープの舞台裏を著書『「桜を見る会」疑惑 赤旗スクープは、こうして生まれた!』(しんぶん赤旗日曜版編集部著、新日本出版社)にまとめ、9月15日に発売した。

 

「『桜を見る会』は、いわば税金を使った有権者買収なのです。自分の金を使うよりもたちが悪い。公判中の河井克行元法相よりも悪質だと考えています。著書では、安倍事務所の関与を示す決定的証拠文書もすべて初公開しています」

 

 菅義偉首相は9月16日の新内閣発足後の会見で、「桜を見る会」について、「来年以降、今後は中止したい」と発言した。
「会を中止したからといって、私物化疑惑はまったく解明されていません。疑惑にフタをしようとしているのでしょうが、そんなことは許されません。今後も追及は続けていきます」と、山本氏は決意を語った。

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