社会・政治
12歳の少女や妊婦まで…“警察管理都市”香港の壮絶取り締まり
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2020.09.25 06:00 最終更新日:2022.12.07 18:50
【12歳の少女を逮捕】
2020年9月6日、民主派を支持する香港市民により、香港・九龍半島のメインストリートであるネイザンロードで、抗議デモが企画された。
「本来、9月6日に開催されるはずだった立法会議員選挙が、新型コロナの感染拡大を口実に1年延期。この選挙で民主派の過半数獲得や、キャリー・ラム行政長官の辞任を目指していた市民の多くが、デモに参加しました」(角脇氏)
この日、デモの中心となった繁華街・旺角(モンコック)には、兄に連れられた12歳の少女が学校で使う絵の具を買いに訪れていた。しかし、街中に立つ重装備の武装警察に遭遇し、恐れをなして逃げ出したところ、複数の警官が彼女に向かって突進。押し倒し馬乗りになったうえ、膝で少女の体を押さえつけ拘束した(少女を助けようとした14歳の兄も拘束)。少女には集会制限法違反の罪で、罰金2000香港ドル(約2万7000円)が科せられた。
【ネットの書き込みで扇動罪で逮捕】
2020年9月6日、民主派の政治団体「人民力量」副主席の譚得志(タム・タクチ)氏が、扇動罪容疑で逮捕された。逮捕理由については、「インターネット上で香港市民に対し、香港政府や香港警察への憎しみを煽る文字を投稿し、国家分裂を扇動したため」と、警察から発表された。
「譚氏の逮捕理由である“警察への憎しみ”を煽る言葉とは、『黒警全死家(ヤクザな警察よ、家族も皆死んでしまえ)』というもの。これは、デモやネット上でもよく使われる言葉で、これが罪に問われるなら、誰もが逮捕されることになるでしょう」(角脇氏)
デモ取材を通じ、角脇氏が出会った20代のカップルは、こう話していたという。
「香港人には、街に出て抗議の声を上げる権利がある。政府が法律や武力で縛ろうとしても、心までは縛れない」