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鳩山由紀夫が原辰徳を称賛「政治家は原監督に学ぶべきだ」

社会・政治 投稿日:2020.10.10 06:00FLASH編集部

鳩山由紀夫が原辰徳を称賛「政治家は原監督に学ぶべきだ」

 

「祖父の鳩山一郎が、巨人の初代後援会長だったんですよ」
 そう語るのは、鳩山由紀夫元首相(73)だ。

 

 東京大学工学部計数工学科を卒業後、スタンフォード大学大学院に留学。帰国後は東工大助手、専修大学経営学部助教授を経て政界入り。華麗な “インテリ経歴” のためか、スポーツとは無縁のイメージが強い鳩山氏。だが、じつは政界きっての “G党” だ。

 

 

「私が小学5年生のとき、我が家に巨人の監督以下、選手の皆さんが来てくれたんです。当時の水原茂監督、川上哲治さん、千葉茂さん、与那嶺要さんなど、そうそうたるメンバーでした。僕は素直だったので、巨人ファンになるのは当然でした。

 

 弟(故・邦夫氏)は反骨精神で、アンチ巨人の中日ファンになりましたけどね(笑)。当時、全員からサインをもらいましたが、そのサイン帳は60年たったいまでも、私の宝物です」

 

 当然、自身もプレーすることに興味を持ったが、邦夫氏とともに、幼いころから体が弱く、喘息持ち。2人の楽しみは、キャッチボールかプロ野球観戦に限られた。

 

ピッツバーグで始球式をおこなった鳩山氏。勝負球は、真っ向勝負のストレートだった

 

 その後、政治の道に進むようになると、いよいよプレーの機会は減っていった。マウンドに立ったのは、始球式ぐらいだったという。

 

「首相を務めていた2009年、G20がピッツバーグ(米国)で開催された際、たまたまMLBの始球式に参加できました。

 

 思いっきり振りかぶったら、マウンドの傾斜が予想より急だったので、肉離れを起こしてしまいました。足を引きずるほど痛かったのですが、マスコミに知られると何を書かれるかわからないので、秘密にしていましたよ(笑)」

 

 政務で多忙を極めるなか、大好きな巨人の試合も、リアルタイムで見ることは少なくなっていく。それでも翌日の新聞で、巨人の勝敗のチェックは欠かしたことがなかった。

 

 鳩山氏は、水原監督に始まり、合計8人の巨人監督を見てきたが、そのなかでも、原監督をとくに気にかけてきた。2003年、原監督第一次政権2年めの巨人は、7月の時点で星野仙一監督率いる阪神に、2ケタのゲーム差をつけられていた。このとき鳩山氏は、スポーツ紙のインタビューで、次のように語っている。

 

「かつての巨人を取り戻すなら、後半戦は若手を徹底的に鍛えてほしい。ピークを過ぎた各球団の4番打者を獲るばかりでなく、生え抜きの選手を大事にしてほしい」

 

 2020年シーズン、早くも首位を独走する巨人は、まさに鳩山氏の提言どおりの戦いを見せている。

 

「チーム力というのは、それぞれの個性、とくに『若さをどこまで引き出せるか』が大きいと思うんですよ。失礼ながら2020年は、必ずしもバックグラウンドがわからないような、若手が活躍してくれているなと思います。

 

 私が提言したから、原監督がやっているわけでは、けっしてないでしょうけどね(笑)。“ジャイアンツ愛” が、結果的にそうさせているんです。そして実際に勝てている原監督は、名将です」

 

 原監督への賞賛は続く。

 

「野球において、1点差ゲームというものは、勝敗がどちらに転んでもおかしくない醍醐味なわけじゃないですか。その勝敗こそ、監督の采配によるところが大きいと思うんですよ。

 

 2020年の巨人の1点差ゲームは、15勝6敗(鳩山氏を取材した9月23日時点)。これだけ大きく勝ち越しているということは、原監督の采配が、いかに素晴らしいかということですよ。

 

 しかも、菅野智之投手以外、規定投球回数に達している投手はいないし、打者の打率トップ10に、巨人の選手の名は載っていません(同じく9月23日時点)。つまりスター選手に依存しない、“全員野球” ができているんです」

 

 原監督は巨人を率いるリーダーとして、“勝てる組織” をいかに作ったのだろうか。

 

「私は一国を率いるリーダーとして、必ずしも成績を残したとは言えませんから、リーダー論を語れる立場にありません。でも、部下を信じ、部下の能力を伸ばすということが、リーダーの役割です。

 

 そこが、政治家としての私は十分ではなかった。とくに官僚の皆さんとは、うまくいかなかった。彼らはアメリカと私を天秤にかけ、アメリカとの外交をとったけれど、私はそれに気がつけず失敗しました。

 

 組織を作るのに、重要なのは部下です。そこで信頼関係が築けなかったら、組織作りはできない。原監督はコーチ(部下)を信頼しているし、仕事を任せられる度胸があります」

 

 では、原監督は国を率いるリーダーとしても有能なのか。

 

「部下を育てるのがうまく、組織作りもできるということは、政治家にも向いていると思いますよ。むしろ、いまの政治家が、原監督に学ぶべきです。

 

 それに、政治家になるための選挙は、ある意味、人気投票ですから、原監督が出れば当選するでしょう。しかし、人気があるだけで当選してしまうと、ただの広告塔で終わってしまうこともあります。

 

 だから、もし政治の世界に入るのだったら、『のほほんと広告塔を務めよう』などとは考えず、『この国を変えたい』という強い意志を持ってほしいですね。政治の世界に興味があるのであれば、ぜひ、私に相談してください。でもその前に、まずは巨人で日本一の奪回をしてほしいです」

 

 たしかに、安倍継承政権より、若手が活躍する “原内閣” が見たい。

 


(週刊FLASH 2020年10月20日号)

 

 

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