米山氏は、かつては仲間だった橋下氏と距離をとったことについて、「この手のウケだけを狙った発言で、『相手がどんな迷惑を被ってもかまわない』という彼のやり方が、本当に嫌だったんです」と言う。
「つまり、橋下氏は目の前の議論や選挙に勝つためなら、民主主義的なプロセスとか、制度趣旨とか、行政手続きといった国家の根幹が失われることくらい、どうでもいいと思っているということですよ」
その考え方の行き着く先を米山氏は、ある国になぞらえる。
「極端に言えば、橋下氏の手法は北朝鮮のようです。北朝鮮は力を誇示するために、核兵器、ミサイルと、派手な政策ばかりぶち上げている。でも、国民を支えるためのインフラとかは、まったくですよね。
まさに、『すべてよくなる』と言って、大阪で都構想をぶち上げ、政治的勝利を求めているのと一緒。でも、裏では失うものが大きい。しかも『選挙で勝った政治家に異議を唱えるな』というのは、独裁者と変わりません」
橋下氏は連日、「学術会議批判」を自身のツイッターで展開していた。フォロワー数260万人を超える彼のツイッターは、ネット上で熱狂的な支持を集めている。
「橋下氏のツイートは、彼の尻馬に乗って『〇〇は馬鹿だ』と、“敵” に批判を浴びせるための理屈を、見る者に提供してくれる。だから、“ネトウヨ的有権者” には人気があるんです。
でも、そんな人気ばかりを集めて、本当に彼自身は満足できているのでしょうか。メディア露出を増やしているのは、ネトウヨからの支持だけでは満足できず、日本全体から支持されたいという彼の野心の表われではないかと思うんです」
これでも、あなたは橋下氏と「都構想」を支持しますか? ウケ狙いで、“笑いの街” を滅茶苦茶にされたら、さすがに笑えない。
(週刊FLASH 2020年11月3日号)