●問5:尊敬する女性は誰ですか?
金子恵美議員(衆・立民)は婦人運動の草分け、市川房枝氏を挙げ、「日本の女性参政権運動を主導した」と回答。田島麻衣子議員(参・立民)は、「知性を弱者救済と地球規模の課題解決に使った」と、難民支援に尽力した緒方貞子氏の名を。そのほか複数の議員が、この2人の名前を挙げた。
辻元清美議員と福島みずほ議員は「土井たか子さん」と回答した。
寺田静議員(参・無)は、伊藤孝恵議員(参・国民)の名を。「お子さんに障害があるかもしれないと言われ、障害児を取り巻く環境を徹底的に調べ、政治家になられた方。確固たる覚悟、フットワークの軽さなど、こうありたいと心から思える」と、絶賛した。
●問6:「女性の政界進出」に理解があると思う男性国会議員をお教えください
大河原雅子議員・徳永エリ議員など5人が挙げたのが、中川正春議員(衆・立民)。「政治分野における男女共同参画推進法成立のために、ご尽力された」(金子恵美議員)
一方、自民党議員は自派閥トップの名を。佐藤ゆかり議員は、「二階俊博先生。『人口の半分が女性であり、民意の適正な反映のためと、女性議員が多くなると政治がまっすぐになりよくなる』との二階先生のお考えは適切」。山田美樹議員も、「細田博之先生は自民党最大派閥の長でいらっしゃるが、男女分け隔てなく接してくださる」と答えた。
《古谷氏が解読》
「中川議員は順当だと思います。自民党の2人は、議員以前に人間として当たり前の感覚を言っているだけで、とくに理解があるというわけではないような……(笑)」
●問7:性暴力などの被害に遭った女性が、強制性交等または強制性交等未遂事件として刑事で相手を告発しました。相手方男性は刑事では不起訴処分となり、民事裁判では不法行為が認定され、賠償命令が出ました。
この場合、相手方男性にさらなる社会的制裁が必要であるとお考えでしょうか。または、民事的な賠償以外に社会的制裁は必要ないとお考えでしょうか。
《古谷氏が解読》
「ここからの2問は、今回私が特に問いたいこと。先に解説から述べます。問7は、ジャーナリストによる性的暴行の被害を訴えている、伊藤詩織さんの事件を念頭に置いたものです。立法府に属する国会議員に対して、司法領域や、私刑に繫がりかねない社会的制裁について、あえて問いました」
佐藤ゆかり議員は、「いかなる場合でも、立法府の立場の議員が、社会的制裁の是非について言及すべきではない」という立場。森夏枝議員の「状況は事案ごとに異なり、一義的に司法の判断に委ねるべきと考えます」という回答のように、自民・維新の議員の大半が、社会的制裁について言及を避けた。
一方、踏み込んだ回答を寄せたのは大河原雅子議員。「(社会的制裁は)必要。不当な判決です」と簡潔に答えた。金子恵美議員は、「社会的制裁が必要である。再犯防止や性犯罪の抑止力とするために罪の重さを理解してもらう」と回答。
自民で、ほかの議員と異なる踏み込んだ見解を出したのが、山田美樹議員。「民事の賠償だけでは不十分。再発の抑止にならない」。
維新の石井苗子議員も社会的制裁は必要との立場。「マスコミによる実名報道、あるいは会社から解雇されるなどが社会的制裁の例として挙げられますが、賠償金だけでは不十分なので、社会的制裁は必要と考えます」。