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「女性国会議員」全員アンケートに22名回答も…「日本で女性総理は無理かも」と絶望の声

社会・政治 投稿日:2020.11.02 06:00FLASH編集部

「女性国会議員」全員アンケートに22名回答も…「日本で女性総理は無理かも」と絶望の声

 

「女、子供は黙っとれ」。国会では今も、古い価値観が幅を利かせているという。それを女性議員たちはどう思っているのか。気鋭の評論家・古谷経衡氏(37)が、みずから設問を作成・監修した8問のアンケートをもとに、本音を解読した!

 

 

 衆議院46名、参議院56名。10月23日現在、日本の女性国会議員は102名だ。今回、本誌は逮捕・保釈された河合案里参議院議員を除く全女性議員にアンケートを配布し、22名から回答があった。古谷氏が語る。

 

「自民党からの回答は、3名ですか……。想定内ではありますが、とくに問7(性暴力に関する設問)・問8(LGBTに関する設問)など、自民党の女性議員たちに聞いてみたかったので、残念ですね。公明党議員の回答がゼロなのは、予想どおりでした(笑)」

 

 古谷氏は回答を読み、どう思ったのか。

 

「問題発言で炎上する事案が増えており、皆、『下手なことは言えないな』と考えているように思えます。麻雀でいえば、絶対に振り込まない安全牌を切るような、紋切り型の模範的な回答が目立ちましたね。

 

 でも、その行間からは、女性議員たちの本音が読み取れます。そういう意味でも、有意義なアンケートになったと思います」

 

 たとえば、問2で聞いた、「日本初の女性総理」としてふさわしい人物について。

 

「『野田聖子さん』という回答が野党から複数あったのは、意外といえば意外でした。それは逆に、『自民党総裁選で野田聖子さんが勝つことがない』と思われているからかもしれません。実現しがたいからこそ、安心して応援できるんです。

 

 過去3回の自民党総裁選でも、野田さんは推薦人が足りず、立候補を見送った経緯があります。たとえば、これが小池百合子都知事となると、ここで名前を出すことは生々しすぎますから、逆に名前を挙げられないと思います」

 

 では古谷氏は、女性総理が誕生するのは、いつだと考えるのか。

 

「正直、まったくわからないですね。仮に、小池都知事が今の2期めでやめたあと、国政に復帰して、自民党で官房長官を務めたりすれば、一気に現実味を帯びてくるでしょう。でも、それは “可能性がある” くらいの話。

 

 今回のアンケートでも、問1[女性総理は、いつ登場すると思いますか]で自民党の議員たちが、『当分ない』と、清々しいまでに言い切ってしまっていますし(笑)、このままだとあと10年は、女性総理は生まれないのではないかと思います。希望は、持っていたいですけどね」

 

 以下では、8問のそれぞれの設問内容と、寄せられた回答、古谷氏の解読をすべて掲載する。
※衆:衆議院、参:参議院/自:自民党、立民:立憲民主党、共:日本共産党、維新:日本維新の会、社民:社会民主党、無:無所属

 

●問1:女性総理は、いつ登場すると思いますか?

 

「2030年までに3割に」――。
 2020年9月、自民党は自党の衆院議員に占める女性の割合を、現在の7.39%から大幅に増やす数値目標を設定。では、女性総理はいつ現われるのか。

 

「日本での実現はなかなか難しい」と回答したのは、自民党の佐藤ゆかり議員(衆)。同党の山田美樹議員(衆)も、「当分ないのでは」と、そっけない。「現状で(党総裁選の)候補者にもなれないことから、実現は難しいと思う」という平山佐知子議員(参・無)の回答のように、与党の女性議員には “絶望感” が漂う。

 

 一方、大河原雅子議員(衆・立民)の「5年後」や、福島みずほ議員(参・社民)の「2025年ごろ」と、野党議員の回答は具体的だが……。石井苗子議員(参・維新)の「現在は男性の国会議員が圧倒的に多く、女性総理の誕生に抵抗があるようなので」という現状では、まだまだ先になりそうだ。

 

《古谷氏が解読》
「自民党議員が『難しい』と言い切ってしまっているのは、興味深い。一方、野党の回答は、多分に希望的観測が含まれていますね」

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