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米国コロナ禍のハロウィンは…スティーブ・ジョブズ邸も閑散と
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2020.11.01 20:55 最終更新日:2020.11.01 20:58
パンデミックのなかで迎えたアメリカのハロウィンは、例年とかなり様子が違ったが、ハロウィン・スピリットは消えていなかった。
家を回ってキャンディをもらうトリック・オア・トリートは子供たちにとって楽しみな伝統だ。
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今年はCDC(疾病予防管理センター)が、トリック・オア・トリートに強く反対したガイドラインを発表したため、それに準じる自治体が多かった。ロサンゼルスの一部では一時トリック・オア・トリート自体を禁止しようとした。
コスチュームパレードなど恒例イベントがキャンセルされたところも多い。
代わりにオンラインでコスチュームコンテストが開催されたり、セリーヌ・ディオンやニコール・キッドマン、パリス・ヒルトン、キム・カーダシアンといったセレブたちがコスチューム姿を次々とオンラインにあげて、ハロウィン気分を盛り上げていた。
街中では安全なトリック・オア・トリートのためのさまざまなアイデアが見られた。
ドライブスルーでキャンディを配る通称「トランク・オア・トリート」なるものが各地に登場した。車社会のアメリカでは簡単に馴染んだようだ。
各家庭では、長いパイプの片側からキャンディを流し入れて反対側の子供にキャッチしてもらう「キャンディ・シュート」と言われるパイプを手作りしたり、カタパルト(投石機)を作ったり、2階からひもでバスケットを下ろしたり、
玄関先のテーブルにキャンディを並べ、子供たちにとってもらうなど、さまざまな方式が登場した。
シリコンバレーに住むラリーさんの家では、接触なしでキャンディーを配れる手作りシステムで子供たちを楽しませていた。
まず足で玄関の呼び鈴を鳴らせるようにペダルを作り、「トリック・オア・トリート」と言うと轟音とともにキャンディが飛んでくる。掃除機の逆で機械から空気で吐き出される仕組みだ。パイプからキャンディが7メートルほど飛ぶそうで、子供たちがキャッチしやすいように、後ろにはクモの巣の絵が描かれたバックネットが用意されていた。
街中を歩く子供たちの数は減ったものの、シリコンバレーの有名な家には人混みも出た。
スティーブ・ジョブズの家では、子供が勇気を出せばキャンディをもらえるような装置を玄関先に置いていた。毎年長蛇の列となるのだが、今年は待ち時間も少なく、訪れたときは小さな子供が数名並んでいるだけだった。
昨年このあたりにはストリートダンサーやバンド演奏、一夜限りの遊園地が出現していたが、今年は閑散としたものだ。フェイスブックのザッカーバーグ宅もグーグルのラリー・ペイジ宅も、ふだんとはまるで違って静かだった。
一方、元ヤフーCEOのマリッサ・メイヤーの家は、派手な装飾と灯りで彩られ、そこで写真撮影する子供たちも多かった。今年は手渡しではなく、ドライブスルーで箱入りキャンディとぬいぐるみを配る場所を設けていた。
新型コロナの患者数世界1位のアメリカでは、連日8万人近い新規患者が出ており、第3波到来かと言われるほど感染が広がり続けている。
11月にはサンクスギビング、12月にはクリスマスとパーティーシーズンがやってくるが、今年はどんな様相を見せるのだろうか。(取材・文/白戸京子)