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大丈夫か「国の借金1053兆」財務省の「国債」発行現場に潜入

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2016.09.26 12:00 最終更新日:2016.09.26 12:00

大丈夫か「国の借金1053兆」財務省の「国債」発行現場に潜入

財務省は国の借金にどう対処するのか

 

 2016年8月、財務省は「国の借金」の残高が1053兆4676億円だったと発表した。この額を7月1日時点の全人口1億2699万人(総務省の人口推計)で割ると、国民1人あたりの借金額は約829万円になる。

 

 国の借金のほとんどは「国債」で、918兆4764億円と過去最高となっている。いったい、国債はどのように売買されているのか? かつて本誌はその現場を取材している(2013年3月19日号)。

 

 国債を扱うのは、財務省の3階にある国債企画課と国債業務課。

 

 課内は、お堅い空気が張りつめているかと思いきや、意外にゆったりしていた。ディーリングルームに相当する部屋も、ただの会議室という印象。メインのパソコンも、やや古い型のものが2台のみ。

 

 国債には年間のシーズンがあるのだという。財務省で予算案を作成する際、おおまかな不足金額がわかると、理財局企画課、業務課の出動となる。

 

「それがだいたい11月~12月ごろ。過去に発行した国債が満期を迎えれば、その元本と利子を払わなければいけない。いわゆる“借金を返すための借金”となる借換債も、企画課で同時に企画します」(企画課担当職員)

 

 扱う数字は兆の世界なんて当たり前。

 

「一般の電卓は、桁数が足りなくて使えない。この課に配属されていちばん驚いたことです」(業務課職員)。そして、新年度の国債発行計画を財務大臣が決めると、その後は決められたスケジュールにのっとり、国債は順次、発行されていく。

 

●午前10時30分、入札開始 関係者以外は立入り禁止!

 

 基本的に入札は、決められた日の午前10時30分に開始され、その作業最中は業務課に部外者は立入り禁止となる。写写丸は、入札中に無理やり入ろうと試みたが、担当職員にまじめな顔で、丁重にお断わりされてしまった。

 

「いくらで落札されているという取引情報が、事前にもれないようにしているため、入札中の関係者以外の立入りは禁止しています」

(業務課担当職員)

 

 国債のニーズが高いと市場の金利は低下し、逆に不調でニーズが低いと金利が上がることもある。こうした情報が入札中にもれると、市場に悪影響を及ぼす可能性があるからだ。

 

 入札で国債を買うことができるのは、特別な資格を持った関係者のみ。現在、約260社の金融機関が入札参加資格を持っているが、なかでも20数社とは、年5回程度の懇談会をするという。

 

 日本経済破綻の可能性について、国債企画課長に聞いてみた。

 

「たしかに日本の財政状況は危機的な状態といえます。しかしXデーが今日、明日来ると考える人は、市場には少ないと思います。国債に買い手がある限り、破綻ということはありえない。我々も需要と供給のバランスを取りながら、できるだけ利率を低く、スムーズに取引がおこなわれるよう心がけています。

 

 日々の市場の動きや投資家の動向など、情報収集も欠かしません。もちろんXデーの研究はしています。研究内容? よけいな心配を与えるだけですから勘弁してください(笑)」

 

 本当に安心なのかなぁ? それでもやっぱり不安。というわけで、救いの言葉をもう一声、お願いした。

 

「国債にはいろいろ種類があり、なかには個人向けの国債もあります。こちらは一口1万円から。普通の預貯金と比べ、けっして魅力が劣るわけではない。自分も国債を持つということを通じて、国債の金利がどう動くのか。あるいは、日本の財政がどうなるのかということに関心を高めていただけたら」

 

 あれ? 最後はすかざす国債セールスをされてしまったよ!

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