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弁護士夫が弁護士妻をDV「階段に引き倒され骨折を…」結婚20年“インテリ夫婦”の崩壊
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2020.12.03 06:00 最終更新日:2020.12.03 06:00
「配偶者や恋人などからの暴力、『ドメスティック・バイオレンス(DV)』事案の相談件数が年々増えています。2020年はコロナ禍による外出自粛のストレスもあり、例年を大きく上回るペースです」
そう語るのは、大阪在住の弁護士・宮崎聡子さん(40代・仮名)。DVやモラハラ問題を専門とし、多くの相談を受けてきた。
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「じつは私も、夫から10年以上、DVを受けつづけてきたんです。だから、同じようなDV被害で悩んでいる依頼者には、肩入れしたくなるんですよね」(聡子さん、以下同)
そう振り返る聡子さんだが、受けてきた暴力は壮絶だ。夫の宮崎和雄弁護士(50代・仮名)とは、司法修習の同期として知り合い、1997年に結婚。2人の子供をもうけている。
「次男が生まれたころから、夫のDVを受けるようになりました。もともと暴言を吐く人でしたが、加えてすぐ手が出るようになって。私の腕をねじりあげ、子供の前で壁にのど輪で押しつける。さらに、子供にも手を上げるようになり、夫婦仲は最悪で、喧嘩が絶えませんでした」
夫の DVを矯正すべく、カップルカウンセリングを受けたこともあったという。
「DVやモラハラの相談をしに、夫婦で2回だけ通いました。夫が『こんなんムダや!』と言い張り、行かなくなったあとも、私はひとりで定期的に通っていました」
2017年1月、それでも20年間連れ添ってきた夫婦に、修復不可能な事件が起こった。
「当時、長男の進学問題で、私と夫が口論になったんです。夫は教育に無頓着で、言いがかりをつけてきました。まともな対話ができないので、その場を離れるため階段を下りようとした瞬間、彼が私の右腕を強く掴んで引っ張り、バランスを崩した私は、階段に引き倒されたんです」
このとき、全身に強い痛みを感じたが、もがいても、夫が力を緩めることはなかった。
「その後も耳元で、『お前が悪いんやろうが!』と罵声を浴びせかけられ、背中を押さえつけられました。痛みと恐怖で、はっきりした記憶がありませんが、子供たちによると、夫は私を押さえつけて、わけのわからないことを怒鳴り散らしていたそうです。
引き倒されたときに強打した左足は、翌日病院で『左第3中足骨骨折』と診断されました。その場で警察や救急車を呼ぶべきでしたが、子供たちが近所や学校で肩身が狭くなるのを危惧し、ためらってしまいました」(同前)
この事件を機に、聡子さんは自宅に内鍵をかけ、夫とは強制的に別居。傷害の被害届を出したのは、事件から2年後の2019年。「被害届をすぐ出さなかったのは、とにかく夫が怖かったから」(聡子さん)という聡子さんは現在、子供たちと3人暮らしだ。
「離婚協議は、私たち母子が暮らす家を買い取ることなど、夫にいろんな条件をつけられて、なかなか進みません。下の子は、まだ義務教育中で校区は簡単に変えられないし、子供たちが独立してから、考えるしかありませんね」