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裁判まみれのトランプ大統領、「自分で自分を恩赦する」仰天プラン

社会・政治 投稿日:2020.12.03 18:07FLASH編集部

裁判まみれのトランプ大統領、「自分で自分を恩赦する」仰天プラン

写真:AFP/アフロ

 

 アメリカで、いま「恩赦」が話題になっている。恩赦とは与えられた刑罰を許したり軽くしたりすること。アメリカ特有のものではなく、日本をはじめ、イギリスやオーストラリア、韓国、タイなど世界中でおこなわれている。日本では昨年10月の即位の礼にともない、55万人に恩赦が実施された。

 

 

 トランプ大統領は、就任以降、側近や “お友達” に恩赦を与えてきたが、恩赦を与える代わりに金銭を要求していたのではないかとの疑惑が持ち上がり、大きな騒動になっている。

 

 捜査対象となった人物名は公表されていないが、すでにPCや携帯電話など50以上のデジタルデバイスが押収されている。大統領は「フェイクニュースだ」とツイートしているが、捜査対象者は大統領にかなり近い人物の可能性がある。

 

 現在、アメリカで恩赦を受けるには、まず司法省にある恩赦担当の弁護士事務所に申請し、最低5年待つことから始まる。FBIや検察、裁判官などと協議を経た後、ようやくホワイトハウスの担当弁護士や大統領側近のスタッフ、司法長官などへ申請が行き、その後、大統領へ助言が届く仕組みになっている。

 

 だが、大統領本人が知り合いなどを恩赦する場合、こういった手続きは不要だ。そのため、歴代大統領は数々の恩赦を与えてきており、オバマ大統領は出願者のおよそ5%、2000人近くに恩赦を与えている。

 

 人数から見るとトランプ大統領は40名強(11月末)と0.5%以下で、20世記最初のウィリアム・マッキンリー大統領以降、最も恩赦が少ない。しかし、開始時期が早く、任期1年目から与えている。直近のクリントン、ブッシュ、オバマ大統領は、3人とも最初の恩赦は任期2年目の終わりまで控えていた。

 

 人数のわりに、トランプ大統領に恩赦のイメージが強いのは、対象者がたびたびニュースを賑わせているからだろう。直接の知り合いのほか、巨額献金者やジュリアーニ弁護士など自身に近い人物が推薦人となった服役者に恩赦を与えてきたため、以前から疑問の声が上がっている。

 

 大統領ができる恩赦は連邦レベルの犯罪に対してで、州レベルの犯罪には効力がないが、一度恩赦が与えられると、議会や裁判でも決定を覆すことは難しい。それだけに大統領の人選は世間の耳目を集めるのだ。

 

 現在、トランプ大統領はいくつかの訴訟を抱えている。ファミリー企業にはニューヨーク州マンハッタン地検などが捜査を進めている。長女のイヴァンカ氏は、12月2日、選挙資金をめぐる裁判へ宣誓供述するため、ワシントンDCで出廷したという。

 

 今後、どのような裁判があるのか明らかになっていないが、大統領は自分の子供たちはもちろん、最終的には自分自身への恩赦まで考えていると報道されている。

 

 大統領が自分の家族を恩赦することは可能で、有罪判決が確定する前に出された例もある。しかし、大統領が自分自身を恩赦できるかどうかは、専門家でも意見が分かれている。なにせ、これまで誰もやったことがないからだ。

 

 そのため、一時的にペンス副大統領を暫定大統領として、自身に恩赦を授けてもらうという説まで浮上している。恩赦の数こそ少ないが、あらゆる手段を講じようとした点で、前代未聞の大統領だったと言えそうだ。(取材・文/白戸京子)

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