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WHO、年末会見で「新たな感染症」の可能性を示唆…2021年のコロナ禍はどうなる?

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2020.12.31 17:27 最終更新日:2020.12.31 17:34

WHO、年末会見で「新たな感染症」の可能性を示唆…2021年のコロナ禍はどうなる?

WHOのテドロス事務局長(写真:AFP/アフロ)

 

 新型コロナウイルスの話題で幕を開けた2020年は、コロナの話題に終始したまま終わろうとしている。
 2021年はいったいどんな年になるのだろうか?

 

 WHO(世界保健機関)のテドロス事務局長は、新年に向けたメッセージで、2021年は豊かな国以外にも、公平にコロナワクチンが分配されるよう努めなくてはならないと語った。

 

 

「2020年のパンデミックで、我々は世界中の人類がいかに緊密につながっているかを学び、困難な時期に助け合う思いやりを見てきた。また逆に、悪意ある情報や行動が、避けられるはずの混乱をもたらす現場も目撃した。トンネルの向こう側に明かりが見えている今後は、ともに進んで行こう。全員が同じ境遇の家族であり、WHOは皆とともにある」

 

 そして、世界中の国に公平にワクチンを配布する「COVAXファシリティ」は緊急に40億ドル(4100億円強)を必要としている、と訴えた。

 

 一方、WHOが年内最後に開いた記者会見では、緊急対応責任者のマイク・ライアン氏が、以下のように警鐘を鳴らしている。

 

「新型コロナウイルスがなくなるのは考えづらく、風土病のように残るだろう。またワクチンを接種してもソーシャル・ディスタンス(社交的距離)を取らなくていいということには今後もならない。いつかまたパンデミックはやってくるだろうし、さらに深刻な状況になるかもしれない。今の状況が最悪で最後の流行だと思わず、次の大流行に備えるべきだ」

 

 テドロス事務局長も、パンデミック再来の可能性を示唆し、次なるパンデミックでは金銭で解決しようとするだけでなく、予防の必要も訴えた。

 

 アメリカの伝統ある雑誌『アトランティック』12月29日付けの記事に、パンデミック2年目の予想記事が掲載されている。こちらも内容を見てみよう。

 

《ワクチンの普及が、抗体のある場所とない場所のパッチワークを作り、抗体のある者が多く集まるエリアでも、なお感染は続くだろう。ただ、医療従事者は現在全米で起きている惨状とは異なり、一定の地域でだけ戦えばよくなるのかもしれない。

 

 ウイルスは変異を続けるし、抗体も一生は続かないと思われる。コロナの後遺症で来院する患者に加え、これからはメンタルヘルスの不調を訴える人たちも増えるだろう。マスクは引き続き必需品で、人の集まる場所は前ほど歓迎されない。

 

 コロナによってできた傷口、たとえば授業の遅れを取り戻すなどの作業が山積している。パンデミックで、西洋諸国がアジアやアフリカより進んでいるわけではないことも学んだ。こうした経験をもとに、これから何を学び何を捨てるべきか、考えるときが来た》

 

 今、世界ではワクチンの配布が急ピッチで展開している。イギリスはアストラゼネカのワクチンを新たに承認し、中国もシノファームのワクチンを条件つきで認可した。

 

 しかし、イギリスで発見された感染力の強い変異ウイルスが、今度はアメリカで見つかるなど感染者数は伸び続けたままだ。新規患者は1日60万人ほど増えており、世界が出口へと向かい出したトンネルは、まだまだ長い。2021年も引き続きマスクを手放さずに出歩く年となりそうだ。(取材・文/白戸京子)

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