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小池都知事「緊急事態宣言」を直訴…「給付金20万円」を実現するには?

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2021.01.05 06:00 最終更新日:2021.01.05 06:00

小池都知事「緊急事態宣言」を直訴…「給付金20万円」を実現するには?

1月2日、意見交換後に報道陣の取材に応じる小池都知事(右)と西村経済再生担当相 (写真・時事通信)

 

「このまま感染者が減らないなら、『私から思い切って国に言います』と、小池さんは2020年12月23日・24日あたりには、腹を固めていました」

 

 そう話すのは、政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏だ。

 

 1月2日、小池百合子・東京都知事(68)は、埼玉・千葉・神奈川3県の知事とともに、西村康稔経済再生相(58)と会談。緊急事態宣言の再発令を求めた。「感染拡大に手を打てない政府を、再び小池都知事が出し抜いた」と、ある政治部記者は語る。

 

 

 だが、いま庶民が必要としているのは、緊急事態宣言よりも、休業や収入減に対する “補償” だろう。2020年春には緊急事態宣言が発令され、国民一律で “給付金10万円”(特別定額給付金)が支給された。経済アナリストの森永卓郎氏は、こう指摘する。

 

「もし再び “10万円” が国民全員に支給されたら、一家4人なら40万円となり、住宅ローンや光熱費などの固定費や食費に充てても、2週間までならば、ほとんどの世帯は暮らしていけるでしょう。

 

 でも、2020年よりも感染者数が多い現状で、宣言を解除する時期の見極めが難しい。その期間が延びるなら、補償金の金額を増やさなければ、とても食っていけませんよ」

 

 だが、政府与党は及び腰だ。

 

「現在閣議決定されている、2020年度第三次補正予算案の予備費は5兆円だが、“給付金10万円” の費用は、約13兆円かかった。このときの仕組みを再利用すれば、給付にかかる経費は節減できるが、予備費の5兆円から捻出するなら、給付できてもせいぜい “一律で5万円の給付” にとどまるだろう。

 

 前回以上の額を支給するなら、補正予算案を組み替えるか、第四次補正予算を新たに成立させるしかない」(自民党ベテラン議員)

 

 さすがに5万円では、生活の維持すら無理だ。2020年11月末に、追加経済対策を提言している国民民主党の玉木雄一郎代表(51)は、現金給付の必要性を強調する。

 

「現役世代への所得税還付などを通じた10万円の再給付や、ひとり親世帯など低所得者層への “現金20万円給付” を、2020年から政府に求め続けています。

 

 いまは財政規律にこだわるときではなく、低金利を生かした超長期の “コロナ国債” を発行して、財源に充てればいい。今後も政府に強く働きかけていきます」

 

 さて、今回も政府を出し抜いた小池都知事は、当代きってのポピュリスト。やはり、眉をひそめる声も聞こえる。

 

「自分に国民の支持が集まるなら、今後も給付金の増額など補償の拡大を求めるパフォーマンスを打つのは見え見え。2021年は都議選、衆院選もあるし、菅(義偉)総理も現金給付を諦めてはいない。

 

 ただ党内には、『現金給付は選挙前に、効果的に』という意見も強いうえ、小池さんや野党よりも、先に手を打たないといけない。菅総理も悩ましいところだろう」(自民党幹部)

 

 どんなスタンドプレーでもいい。早急な「給付金20万円」の実現を――。

 

(週刊FLASH 2021年1月19日・26日合併号)

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