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話題沸騰の音声SNS「Clubhouse」日本で大ブームを呼んだ理由は

社会・政治 投稿日:2021.02.03 18:00FLASH編集部

話題沸騰の音声SNS「Clubhouse」日本で大ブームを呼んだ理由は

 

「天声人語」で触れられるなど、日本で急速に話題になっているSNSアプリ「Clubhouse」(クラブハウス)。今はまだ正式バージョン前の “ベータ版” だというのに、すでに200万人を超える人が利用し始めている。

 

 初めてClubhouseが稼働したのは2020年3月だ。とは言っても、5月の時点でユーザーは1500名。話題になり始めた12月で60万名、アメリカでも急激に増えたのは2021年に入ってからだ。

 

 

 最も話題になったのは、テスラCEOのイーロン・マスク氏が1月31日、「今夜Clubhouseでトークする」と宣言し、突然、株価操作で話題となったロビンフッドCEOをトークに参加させ、問い詰めた件であろう。

 

 これにより、Clubhouseと名のつく別の会社の株価が急上昇したというから、アメリカ人のなかにもアプリのことをよくわかっていない人がたくさんいるわけだ。

 

 Clubhouseは、スタンフォード大学出身のポール・ダヴィソン氏とローハン・セス氏によって設立された。

 

 2019年、特異な遺伝子の病気を持って生まれた娘を救おうと、セス氏が非営利団体で活動するなかで、2人は手を組むことになった。結果的に、このアプリは同じ難病を抱えた子供たちの親や医療関係者らが情報交換するのにも役立っている。

 

 Clubhouseの熱狂ぶりについて、シリコンバレーの起業家である三浦謙太郎氏に話を聞いた。三浦氏はちょうどClubhouse内で「日本の熱狂ぶり」というトークを開催したばかりだ。

 

「アップルには開発中のベータ版アプリを限定配布するテストフライトという仕組みがあり、一番最初にClubhouseアプリを入手した日本人は、2020年4月の段階で参加しています。

 

 ここからシリコンバレーの日本人起業家コミュニティの一部に広がったんですが、同時に日本のIT業界で影響力のある数名にも招待状が送られ、そのなかにロンブー・田村淳さんや小嶋陽菜さんなど芸能界と近い人脈を持つ人がいたんです」

 

 シリコンバレーのエンジニア達は、12月頃にはすでに多くが参加していた。日本でもさまざまな分野の人間が参加しているが、芸能人がいち早く参加したことが熱狂の一因のようだ。

 

「アメリカでもインフルエンサーに参加してもらったり、面白いコンテンツを作ってくれる人に有料で協力してもらったり、話題作りの努力はされていますが、日本のほうが熱心に使っているようですね。

 

 アプリの面白さは、Zoomより気楽に参加でき、対話に特化した音質のよさにあります。使いやすいし、誰でも話しやすい。ポッドキャストのように一方向でもない。そして、世界中から同時に参加できるのもメリットです。

 

 会話が繰り広げられている部屋を気軽に訪れ、退室するのも自由。多くの人が入退室を繰り返します。もちろん、公開ではなくプライベートな会話にすることも可能です。

 

 言葉というのは文字よりストレートな反応が来るので、実は相手の感情やニュアンスが伝わりやすいんですね」

 

 アメリカではコメディアンのトークもあるが、ビジネスの真面目な話題も多い。自分のビジネスを投資家たちへアピールする『ピッチ』と呼ばれるプレゼンもおこなわれている。

 

 早口で真剣なビジネストークを、お茶を飲みながら聞いていても誰からも文句を言われない。録音はできないルールなので、話す側の本音が出やすいのかもしれない。

 

 すでに、Clubhouseでは、ひたすらピカチュウの鳴き真似だけをする部屋などもあり、個性的なものが次々と生まれている。

 

 Clubhouseは18歳以上なら誰でも参加できる。アプリは無料で広告もない。だが、招待制で、アンドロイドはまだ未対応なので、実際に試せた人は少ない。今後はルーム内で課金できるサービスも追加される見込みだ。

 

 最後に、三浦氏に、これからアプリを始める人へのアドバイスを聞いた。

 

「ただフォロワーを増やすためだけに無言で放置したり、誰かがフォローしてきたから無条件にフォローを返したりというような無責任な行動をしていると、せっかくの音声SNSの体験が悪くなってしまいます。 アプリ内でオススメされてくるルームの内容にも影響しかねないので、質を保つことを意識してほしいですね」

 

 1人が一度に招待できるのは2名までだが、活発に活動している人は招待数が増やされる。この瞬間もユーザーが膨れ上がっているClubhouse。もしかしたら、コロナワクチンより先に招待状が手元に届くかもしれない。(取材・文/白戸京子)

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