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帝国ホテル「30泊36万円」プランで心配される“客層の低下”

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2021.02.05 20:00 最終更新日:2021.04.10 09:11

帝国ホテル「30泊36万円」プランで心配される“客層の低下”

新サービスを発表した帝国ホテル。女優の故・山田五十鈴は、快適さゆえホテルの一室で暮らしていた

 

 帝国ホテルといえば、ホテルオークラ、ホテルニューオータニと並ぶホテル「御三家」の一角を占め、その中でも歴史と格式においては筆頭格の存在だ。その帝国ホテルが2月1日、「ホテルに住む」をコンセプトにした新サービス「帝国ホテル サービスアパートメント」の予約受付を開始したと発表した。

 

 1室あたり30泊36万円で宿泊できる新サービスでは、ホテルにあるフィットネスジムやワークスペースが自由に使えるほか、1階にあるラウンジのコーヒーなどを自由に飲むこともできるという。コロナ禍での稼働率の落ち込みが、新サービス開始の動機なのは間違いないが、ホテル業界では「帝国ホテルの“イメージダウン”につながるのではないか」と、もっぱらの噂なのだという。

 

 

 緊急事態宣言中の帝国ホテルの一般的な宿泊料金は2万7000円~3万5000円程度で、標準的な宿泊料金と比較すると60%程度まで割引されて販売されていた。「Go To トラベル」の期間中はさらに割引販売されていたこともあり、ジャグジーや専用露天風呂などが設置されたレジャーホテル(高級ラブホテル)のほうが、宿泊料金が高くなる逆転現象も起きていた。

 

 ほかにも、プリンスホテルが都内8軒のホテルで24時間チェックイン可能、10時間滞在のプランを発表するなど、高級ホテルが、コロナ禍への対応を迫られている。

 

 それもあってか、高級ホテルの客層が以前とは違ってきた、と感じる顧客も多いという。20年以上前から某高級ホテルのすぐ近くでクリニックを経営し、昼休みにラウンジでコーヒーを飲むことが日課という医師(57)はこう明かす。

 

「ラウンジに、親子のような年齢差の男女2人連れが増えました。流行りの『パパ活』なのでしょう。午後のチェックイン時間前後は、お客の半分くらいがそんな感じです。ラウンジの向かいにフロントがあるので、挨拶もそこそこに、そのままチェックインして部屋に向かいますよ」

 

 帝国ホテルの新サービスでは、1泊当たりの宿泊料金は1万2000円程度にまで下がる。最短でも5泊6日から、というから、新サービスがパパ活に使われる可能性は少ないと思われるが、ホテル業界の関係者はこんな心配をするのだ。

 

「消防法により、部屋を使用できる人数は決まっています。かつて、渋谷区の大手系列ホテルで、風俗店が月極で部屋を借り切って女性を常駐させ、予約したお客を送り込んでいた事例がありました。宿泊者以外の人間の客室への立ち入りを禁止することで風俗店を退去させましたが、サービスアパートメントの場合、ホテルと違って訪問者の排除は難しくなります。商談で使うお客様もいるでしょうからね」

 

 新サービスで、高級ホテルの品格が失われるようなことがなければよいが……。

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