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話題のSNS「クラブハウス」がビジネス勧誘の場に?“話し手にしてあげる”商法に注意
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2021.02.10 22:50 最終更新日:2021.02.10 23:28
2020年4月にアメリカで誕生し、同年末ごろから日本でも広まり始めた、音声SNSアプリサービス「Clubhouse(クラブハウス)」。2021年1月下旬ごろから、ツイッターやインスタグラムで、芸能人たちが続々と「始めました」投稿をしたことで、大きな話題を呼び、今やテレビの情報番組でも特集が組まれるほどだ。
「ハマってしまって、睡眠不足で疲れています(笑)」
そう語るのは、みずからもクラブハウスを活用する、ITジャーナリストの三上洋氏だ。
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クラブハウスでは、文字や写真、動画の投稿は一切できず、音声のみで相手とコミュニケーションを取る。現状は、iOS版のみのリリースであり、他人に招待されなければ使用できない、という制限もある。
「クラブハウスの楽しみ方は、大きくわけて『聞く』と『話す』の2つです。『聞く』楽しみは、有名人やタレント、大学教授など、異なるジャンルの人たちの『トークルーム』に参加できる点にあります。自分が関心を持っている人たちが集まるルームに入って、会話を聞くことできるんです。
ルームには、いつ誰が飛び入りしてくるか、わかりません。いろいろな方から、思ってもみない話を聞けることが、ほかのSNSにはない魅力だと思いますね。
『話す』については、友達だけでなく、数年会ってない知人や、それこそクラブハウスで出会った人などとも、顔出しせずに会話ができる気軽さがあります。コロナ禍による会話不足を解消してくれるんです。
また、現在クラブハウスの創業者は話し手にお金が落ちる “投げ銭” システムの導入を検討しています。私は今後『YouTuber』ならぬ『Clubhouser(クラブハウサー)』として生活していく人が増えていくのではないかと思っています」
三上氏自身も、テレビ番組で共演した芸能人たちとも、夜な夜なトークを楽しんでいる。
「普段は直接話せない芸能人と同じ部屋でしゃべることができるのには、驚きます。たとえば高橋みなみさんと安田大サーカスのクロちゃんが毎日やっている『クロみな』に呼ばれたときは、テレビの生放送より緊張しました。やみつきになりますね」
実際に使用してみて、デメリットはないのか。
「朝から晩まで続けてしまう、中毒性があります。『自分がトークに参加してないときに、面白いことが起きていたら嫌だな』と思ってしまい、さほどやりたくないときも、ついログインしてしまう。使い過ぎを防ぐために、スクリーンタイムのアプリで利用時間の管理をし、自分で調節することをおすすめします。
また、“秒速で1億円稼ぐ男” こと与沢翼さんが参加したことが象徴的ですが、いろいろなビジネスの勧誘が増える恐れがあります。たとえば、有名人の名前を引き合いに『もし始めたいなら、スピーカー(話し手)に上げてあげるよ』などと勧誘され、マルチ商法などでお金を吸いとられる危険性がある。
人間は、『聞く』という感覚をいちばん信じやすいんです。詐欺に遭わないよう、注意しなければなりませんね」
さらに、潜在的にモラルの問題もはらんでいる。
「誰とでも気軽に、友達感覚で話すことができるようになるクラブハウスですが、それゆえ誹謗中傷がおこなわれる危険性もあります。実際、発祥地のアメリカでは、人間関係のトラブルが大問題になっています。日本ではまだ招待制とはいえ、発言には注意する必要は絶対にあります」