コロナ自宅療養者に届く「配食サービス」6つの自治体を抜き打ち評価…管理栄養士が選ぶ1位は？

●「飲み干すな　インスタントの　“残り汁”　塩分過多に　注意せよ！」

　では、症状のある人はどうか。

「新型コロナには風邪に似た側面もあり、軽微でも症状のある方は、ビタミンが不足しがちです。配食サービスはビタミンやミネラルが摂りにくい内容ですので、そうした栄養素をできるだけ追加していただきたいですね。

　具体的にはまず、埼玉県・千葉県で提供されているような海藻類の入ったものをはじめ、植物性の栄養が摂れる食品を一緒に食べること。もし、冷凍した野菜や、ワカメや切り干し大根などの乾物がご自宅にあったら、ぜひ追加しましょう。

　あとは、すべての自治体にあるカレー・牛丼・中華丼など『ルーや具＋レンチンご飯』のセットや、おかゆなどの【お米】を優先して主食にしてください。墨田区以外で採用されている『パスタ＋ソース』のセットは、お米だけではどうしても飽きてしまうので、“あってもいいかな” とは思いますが……パスタはお米に比べて脂質と塩分が多く、その分ビタミンやミネラルが必要になるので気をつけてください。

　インスタント食品でも、すべての自治体で提供されている味噌汁には、野菜や海藻類が入っていますので、おすすめです。一方で、柏市以外で提供されるカップ麺は、一度に1個で済ませられるので栄養が偏りやすいです。野菜や乾物を追加できるならいいんですが、栄養管理を考えると、あまりおすすめはできません。

　そうそう、これは健康な方や無症状の方も同じですが、インスタントの汁物は、すべて飲み干してしまうと塩分過多になりやすいので、具を優先的に食べて汁を残すのもポイントです」

　今回、本誌が黒木氏に評価してもらった、6つの自治体の配食サービス。「基本的に、どの自治体さんも同じレベルですね」と始まった取材だが……。最終的には、黒木氏の評価1位は？

「埼玉県が一番です！　缶詰のひじき加工食品や、もずくといった海藻類が入っている点と、無果汁の野菜ジュース・無塩トマトジュースがある点、さらに魚やミックスビーンズなどのたんぱく質も入っていて、総合バランスがいいですね」