「対策本部を作るぞ」
2月14日朝、前日深夜に福島沖で発生した震度6強の地震を受け、二階俊博自民党幹事長(82)の動き出しは早かった。
野田聖子幹事長代行(60)、下村博文政調会長(66)、佐藤勉総務会長(68)、山口泰明選対委員長(72)、世耕弘成参院幹事長(58)といった党四役以上と、小此木八郎防災担当相(55)や関係省庁の官僚に一斉に号令をかけた。
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幹事長の権勢を見せつけるような速さで、午前10時30分から緊急役員会が開かれることになった。しかし待てど暮らせど、肝心の二階氏が来ない――。
「事務方が確認すると、『所用のため欠席』と言ってきたんです」(自民党関係者)
結局、午前11時に二階氏抜きで緊急役員会が始まった。
「幹事長挨拶を頭撮りする予定もあり、二階氏が読み上げる原稿まで用意されていたのに、すっぽかしたんです。結局、代わりに野田幹事長代行が挨拶をしていました」(政治部記者)
ある自民党幹部は、欠席の理由をこう明かす。
「二度寝して、寝坊したそうだよ。2021年1月に通した第3次補正予算でも、『災害に強い国にしよう』と言って、約20兆円のうち、『国土強靭化』に約3兆円も割り当てた。新型コロナ対策は4兆円ほどだから、二階さんがこの分野に熱心に取り組んできたのがわかるでしょ。それなのに寝坊とは、信じられないよ」
もともと二階氏には、“寝坊癖” があるという。
「うちと公明党の幹事長と国対委員長が毎週水曜朝に開く、『二幹二国』という定例の会合を寝坊して欠席したことが何度かあった。昔から二階さんは夜は強いんですが、朝は弱い。最近は、毎晩のように入れていた会食もできず、二階さんの生活リズムが崩れているそうです」(二階派議員秘書)
だが、今の自民党が抱えるいちばんの “闇” は、誰も二階氏に意見できないことだ。
「誰か幹事長に注意したって? 誰も言えるはずがない。二階さんが謝ったとは聞かないし、役員たちが怒ったとも聞かない」(前出・自民党幹部)
二階氏に代わって役員会を仕切った野田氏の事務所にコメントを求めたが、「確認が取れない」と答えるのみだった。“裸の王様” が君臨する政権与党に、国家の舵取りが委ねられ続けている。
(週刊FLASH 2021年3月9日号)