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「コロナ対策」がスゴい市区町村!専門家が選んだ “ピカイチ” は兵庫・姫路市
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2021.02.23 06:00 最終更新日:2021.02.23 06:00
■“PCRの功労者”保坂展人世田谷区長「ワクチンへの国の対応は『話が違う』」
「厚生労働省は、コロナ対策の根幹に関わる部分ですら、予告なしに毎週のように変更してくるんです。そのたびに、自治体は振り回されます」
政府を辛口評価するのは、保坂展人・世田谷区長(65)だ。
「……とは言いましたが、これまで世田谷区は、振り回されることはありませんでした(笑)。専門家をアドバイザーにし、あらゆる問題が起きる可能性を検討してきたからです。
2020年10月から、世田谷区は高齢者施設の職員、利用者などを対象にPCR検査を実施しています。当初は、メディアから反対論がかなり出ましたが……」
保坂区長は、世田谷区独自の、このPCR検査を「社会的検査」と名づけ、国が費用を負担するよう働きかけた。
「その結果、2020年秋から、厚労省が全国の自治体に波及させ、費用も負担する『行政検査』となりました。介護施設や医療機関での感染拡大を防ぐ有効な手段だと国が認めたのです」
そんな保坂区長でも、今回のワクチンへの国の対応には不満を隠さない。
「厚労省は1月25日の自治体向けの説明会で、ワクチンは一度に3カ所程度しか運搬できないと説明しました。ところが1月29日には、区内のかかりつけ医など約250カ所に運搬して個別に接種する “練馬区モデル” もOKだと言い出した。『ぜんぜん違うじゃないの』と思いましたね」
さらに、ワクチン担当の河野太郎大臣が、2月15日に「職場でも接種できるようにしたい」と発言したのだ。
「世田谷区民92万人のうち、都心に通勤・通学している方は約半数います。そうなると、根本から話が変わってきますよね」
2月2日、都庁において、保坂区長は小池百合子都知事に国への不満を伝えた。
「ことワクチンに関して言えば、住民接種で都道府県はあまりやるべき仕事がないんです。病院にマニュアルを交付することなどは都の仕事ですが、都にはつい最近専門の部署ができたばかりで、まだ細かい仕事をできる体制がない。
そして、厚労省に何度話を聞いても、最終的な住民接種の責任は、我々『区』にあるとしか思えないんですよ」
先の見通しが立たないまま、2月17日からまず医療関係者へのワクチン接種が始まった。
「運搬についても、『250カ所に運んでも、ワクチンの品質には問題ない』ことを裏づけるデータを厚労省に照会しています。私は、そのうえで判断したい。いかに速やかに打てるかが皆さんの関心事でしょうが、まずは安全第一、生命第一でと考えています」
以下の関連リンクでは、前出の岡田氏・宮田氏への取材をもとに、優れた独自施策をおこなっている自治体を本誌がまとめた
取材/文・鈴木隆祐(保坂区長以外)
(週刊FLASH 2021年3月9日号)