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日経平均3万円突破も…“株価暴落のXデー”専門家5人中4人が示した「2021年4~6月」

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2021.02.24 06:00 最終更新日:2021.02.24 06:00

日経平均3万円突破も…“株価暴落のXデー”専門家5人中4人が示した「2021年4~6月」

2月18日、新型コロナウイルスのワクチン接種会場を視察する菅義偉首相と田村憲久厚労相

 

 2月15日、日経平均株価は30年半ぶりに3万円台を回復し、株式市場はバブル期以来の活況に沸いた。だが、新型コロナウイルスの猛威に沈む実体経済との隔たりは大きい。2021年2月、内閣府が公表した2020年12月の企業の景況感を示す景気動向指数(CI)は、7カ月ぶりに下落。どうにも、景気がいいようには思えない――。

 

 本誌が株式専門家に取材すると、5人中4人が株価 “暴落のXデー” は、早ければ2021年4~6月にもやってくると警鐘を鳴らした。「現在はバブル。株価は春にも暴落します」と、厳しい見方をするのが、経済アナリストの森永卓郎氏である。

 

 

「1990年に、日本銀行が金利を引き上げて株式市場にお金が回らないようにしたため、バブルが崩壊しましたよね。もちろん今は、コロナ禍で実体経済がガタガタなので、金融引締め策は採れない。しかし、それがバブルを誘発しているのです。

 

 春になれば、先日始まったワクチン接種の効果も出始めて、経済も回復してくるはず。すると、日銀は金融引締め策を採れるようになるわけです。株式市場にお金が回らなくなれば、間違いなくバブルが弾け、株価は暴落します。最終的には日経平均は、1万円台まで下がる可能性だってあるんですよ」

 

 法政大学大学院教授の真壁昭夫氏は、株価は上げ下げを繰り返しながら、今後も上昇が続くとみる。

 

「2020年の4~6月期には、日米欧で前年同期比で、3割以上も落ちたGDP成長率が、2021年は急回復すると見込まれます。その理由としては、先進国でワクチン接種が進み、経済活動が活発になることで、6月までは世界的に景気がよくなるからです。日本の株価も、連動して上昇していくでしょう」

 

 しかし、景気はよくなっても、「6月以降に株価は下落に転じる可能性が高い」と、真壁氏は指摘する。そのきっかけは、各国の中央銀行が進める「金融緩和政策の転換」だ。

 

「景気がよくなりすぎて過熱感が出てくると、インフレ率が上昇します。米国のインフレ率は現在1.5%。4~6月期には、2%を超えるかもしれない。インフレになれば、金融政策は緩和から引き締めに転換されます。

 

 今の株高を支えているのは、金融緩和による “カネ余り” ですが、引き締めによって市中に出回るお金が絞られると、株が売られだすわけです。金融引き締めといっても、緩やかにおこなうはずですが、それでも日経平均株価は、2万5000円から2万7000円の水準まで下落する可能性があります」(真壁氏)

 

 ニッセイ基礎研究所上席研究員の井出真吾氏は、米国の新型コロナ対策の進展や、金融政策の変更が、日本の株価を下落させる要因になると指摘する。

 

「世界中の中央銀行がジャブジャブに資金を供給したので、それが株式市場に流入した。ところが、コロナが落ち着いたら、中銀はそういった手立てを講じる必要がなくなる。結局、株価は元の状態に戻り、今のような株高基調は逆回転していくわけです」

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