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世界初「放射能が見えるカメラ」は1日50万円

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2012.02.01 00:00 最終更新日:2016.03.02 10:26

福島第1原発の事故以来、色もなければニオイをもない放射線に、不安を抱く人も多いはずだ。そんななか、東芝が除染作業の助けとなる秘密兵器、「ホットスポットが見える」小型カメラを開発した。

 

まだ世界に1台しか生産されていないというそのカメラは、写す範囲でもっとも高線量の場所を赤で表示。低くなるにつれて黄色→緑→青と色分けされる、温度差を測るサーモグラフィーのようなもので、これまで線量計を頼りに、いわば「目隠しで」おこなってきた除染作業の効率化が図れるという。

 

実験会場となったのは福島市内のとある寺院。本堂の裏側にカメラがセットされた。測定する範囲によって計測時間は異なるが、このときは10分。カメラに接続されたパソコンのモニターには、たしかに真っ赤に染まる部分が!そこは側溝だった。

 

市の職員が側溝に線量計をかざすと、なんと毎時11マイクロシーベルトを記録。政府が定めた一般人の被爆限度は現在、年間20ミリシーベルトなので、この線量で2カ月半生活すれば限界に達することになる。土砂を取り除くなどの作業が施されると、問題の箇所は毎時3マイクロシーベルトまで低下。モニター上の色も、確かにすっかり落ち着いた。

 

放射線版“ビフォーアフター”を可能にしたこのカメラだが、気になるのはお値段だ。現在のところ、東芝は開発費や価格を明らかにしていないが、広報によると「技術者が各自治体に測定に出向くかたちでの運用を想定しています。1日あたりの費用は50万円ほどになる予定です」とのこと。さすが最先端技術、個人で手が出せる代物ではないようだ。

 

(週刊FLASH 2012年2月14日号)

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