東日本大震災と相前後して、日本列島では活発な火山活動が続いている。なかでも、もっとも注意すべき活火山が富士山だ。300年ぶりの噴火——―それが現実となりつつあるのだ。
「M6.5以上の地震は30年くらい前から、火山の場合は35年くらい前から兆候が現れます。兆候というのは中小規模の通常地震が明らかに増加することです。地震は兆候が現れた年の30年後+-3年。火山の場合は同じく35年後+-4年。私の計算では遅くとも’15年には富士山が噴火します」
こんなショッキングな予測をするのは、琉球大学の木村政昭名誉教授(71)。富士山周辺の過去の地震回数は’76年、’83年、’96年がほかの年に比べて突出して多い。木村氏はこの’76年を最初の兆候が現れた年と捉える。
つまり’76年の35年後が’11年であり、そこに誤差の4年を加えた’15年を富士山噴火の”Xデー”としたのだ。 同じ噴火でも北か南か、風の向きと強さや天気によって被害は大きく異なる。
’04年に作成されたハザードマップによれば、西風の強い冬に発生したと想定した場合、ガラス質の火山灰が静岡、神奈川、東京、埼玉、千葉、茨城まで及び、横浜で160ミリ、東京都心でも10〜40ミリ降り積もると予測。交通機関のマヒなどにより、被害総額は1兆5000万円、雨なら最悪2兆円を突破するとされている。
「富士山はもう活動期に入っています。噴火の最盛期になれば、首都圏の経済的被害は東日本大震災を凌駕します」(木村氏)
(週刊FLASH 2012年2月21日号)