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ワニの頭80個を押収…ネットで世界中のマニアに違法販売か
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2021.02.26 21:34 最終更新日:2022.12.07 16:46
2021年2月26日、イギリスのウェスト・ミッドランズ警察署が、ツイッターで「今日の捜索でワニの頭80個を押収したぞ!」と発表した。投稿された写真には、ズラリとワニの頭部が並んでおり、「ワニの頭なんか集めてどうする」「考えただけでゾッとする」などのコメントがあふれた。
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捜査のきっかけは、署に寄せられた不正売買のタレコミだった。協力を要請された国家野生生物犯罪部(NWCU)はさっそく調査に乗り出す。NWCUは野生動物の密貿易を防ぐため、2006年、世界に先駆けて設置された警察組織だ。
26日の朝、バーミンガム郊外の住宅でNWCUと警察署の合同捜査がおこなわれ、総計80もの「ワニの頭」が押収された。よほど珍しかったのか、警察署も「こんな押収品は初めてだ」とツイートしている。
発表によると、家主である44歳の男性はワニの頭を不法に輸入し、オークションサイト「eBay」を通じて世界中のバイヤーやマニアに売りさばいていたとみられる。男の容疑は2018年に制定された「絶滅危惧種法」違反。
同法では、これまで「サイの角」「ゾウの牙」「マッコウクジラの歯」「トラの骨」「トラの子供の剥製」などの密売にからんで逮捕者が出ている。
ワニといえば、財布やカバンの生地に使う「ワニ皮」が有名だが、頭は何に使うのか。海洋生物や爬虫類のショッピングサイトを見てみると、「ワニ製品」なるカテゴリーがあり、小さいもので1000円弱、45cmを超える大きいものでも1万2000円ほどで販売されている。
頭部のほかにも、「ワニの骨で作ったナイフ」「ワニの歯ネックレス」「ワニの足」など多くの製品が売られているが、やはり巨大な頭部を壁に飾るのがマニアの醍醐味のようだ。なお、剥製にすると、皮と頭蓋骨が硬化するため、何年ももつと販売サイトでは謳われている。
絶滅危惧種は国際的にも輸出入が制限されている。基本となるのはワシントン条約だが、アメリカワニ、シャムワニ、アフリカクチナガワニなどの皮革製品は日本にも持ち込めない。クロコダイル、アリゲーターなども、持ち込むには許可証が必要だ。
日本ではそれほど馴染みがないワニだが、安易な売買が続けば絶滅もありうる。さらなる保護対策が必要だろう。