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「高須院長は被害者」愛知県リコール不正署名事件、第一発見者・水野昇さんが告発する“黒幕”の動機

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2021.03.09 06:00 最終更新日:2021.03.09 06:00

「高須院長は被害者」愛知県リコール不正署名事件、第一発見者・水野昇さんが告発する“黒幕”の動機

2020年11月7日、署名活動休止の記者会見で高須院長の肩をもむ河村市長(写真・朝日新聞)

 

「高須さんは被害者だと、私は思っております。それに、河村さんも被害者なんですわ」

 

 そう訴えるのは、「愛知100万人リコールの会」事務局で、活動の先頭に立つ「受任者」を務めていた水野昇氏(68)だ。彼は、大村秀章・愛知県知事へのリコールをめぐる「署名偽造事件」で、署名の偽造に気づいた “第一発見者” でもある。

 

 

 この事件では、「リコールの会」で会長を務めた高須クリニックの高須克弥院長(76)や、活動を支援した河村たかし・名古屋市長(72)の関与が問われている。だが水野氏は、本誌の取材にこう明言する。

 

「 “黒幕” は、事務局長を務める田中孝博氏です。今回の件は、彼の “独り舞台” なんです」

 

 もともと、大村知事リコールの趣旨に賛同して運動に参加した水野氏だったが、当初からさまざまな疑問を感じていたという。

 

「田中氏はまず、受任者の数から、ねつ造していたんです。リコールの成否は、実際に署名を集める受任者の人数によって決まります。彼は、受任者は『7万人いる』と称していましたが、7万人おれば1人が5人の署名を集めれば、35万人の署名が集まるでしょう?

 

 ところが、実際に集まった署名は10万人分にも届かなかったわけで、受任者7万人という数字自体が、ねつ造だったわけです」(水野氏・以下同)

 

 水野氏は、事務局に不信感を抱きながらも、みずからは署名を集め続け、2020年9月末までは我慢したという。だが、必要な署名用紙の発送も大幅に遅れるなど不備が続き、水野氏は「これ以上は、つき合っとれん」と事務局と袂を分かち、瀬戸市内で独自にリコール活動を続けた。

 

 ところが、署名の最終提出日である11月4日に「作業を手伝ってほしい」と、ボランティアから連絡があった。水野氏は、尾張旭市の選挙管理委員会で、書類整理を手伝うことになったのだが――。

 

「夜の11時半でした。このとき、選管に提出する署名簿のなかから、偽造されたものを見つけたんです。現場では全然集まってなかったので、『いったいどうするんかな』とは思っていたけど、まさか署名簿の偽造に手を染めるとは、思いもよりませんでしたわ」

 

 不正な偽造署名簿を見つけた水野氏は、その署名簿を抜き取り、SNSなどで公表した。すると水野氏は、高須氏から「窃盗容疑」で刑事告訴されたという。

 

「高須さんは、田中氏の虚言を信じきってますので、そうなりますわ。11月4日に名古屋市内のホテルで集計したとき、署名は『70万筆ある』と事務局は言っとった。でも実際には偽造署名を含めても、43万5000筆しか集まっていなかったわけです(その8割超が不正署名とされる)。

 

 なのに不自然なことに、大村知事は同じ日の記者会見で、『関係者から(署名の)数は少ないと聞いとる』と、わざわざ言っとるんです。これ、何をか言わんやでしょ。

 

 僕はこう思っとるんです。田中氏は、大村知事側には正確な情報を流しとったけど、会長である高須さんには、(大量の署名が集まったという)嘘の情報を流しとったんじゃないかと。これが事の顛末ですわ」

 

 この推測が事実だとすれば、田中氏はいったいなぜこんなことをする必要があったのだろうか。目的について、水野氏はこう推察している。

 

「田中氏は、最初から大村知事をリコールするつもりはなかったんでしょう。もともと彼は “大村派” なんです。

 

 大村知事の政治団体『日本一愛知の会』から県議選に立候補して落選し、2年前の県議選では大村知事と争う側に立った。それで今回、大村陣営に戻るお土産代わりに、リコールを失敗させる作戦を練ったんじゃないかな」

 

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