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1日4.8人が死亡する北朝鮮刑務所「壮絶すぎる塀の中」

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2012.03.15 00:00 最終更新日:2016.03.02 13:40

「私はそこに約6カ月間服役し、死体処理作業業務を引き受けた。その間に火葬し埋めた死体は859体。つまり1日平均4.8人の服役囚が死亡した」

「これは、北朝鮮の刑務所にあたる、『一般教化所』と呼ばれる施設に収容されていた人物の証言です」と語るのは、脱北者を支援する「北朝鮮難民救援基金」の事務局長・加藤博氏。加藤氏は、脱北に失敗し一般教化所に収容され、釈放後に再脱北した人ら200人以上の証言をもとに実態を報告書にまとめた。

その報告書によると、施設の衛生状態は非常に不衛生で、初めての者は漂う悪臭に必ず嘔吐するほどだという。入所した夜に目覚めると、真っ黒なシラミが全身を覆っていたという証言もある。それが原因で皮膚病になり、あちこちから黒い膿が流れ出し、肉が腐って脚を切断した者もいる。

女性服役囚は、冬には凍りついた山のように積まれた堆肥の運搬をおこなうが、その掘削作業中に堆肥の山が崩れ、死亡する事故が多発している。監視保衛員は事故を見て見ぬふりだ。ブロック積み作業でブロックが崩れ、1度に10以上が死ぬ事故が発生した際、その作業場には公開処刑された死体が何日も放置されたままだったという。

「教化所当局は服役囚を殺す目的で処罰することが日常茶飯事だった」という証言もあり、囚人の命は警護員の虫の居どころ次第だという。吊るし拷問は当たり前。飛行機やバイクの体勢で何時間も立たされ声を出す処罰もある。角材を膝に挟み、ムチやスコップで殴打される拷問も。耳が裂け、鼻血が噴出し、骨を砕かれても、服役囚は抗弁ひとつできない。逃走すれば首にロープをはめて、トラックで犬のように引っ張り回して殺したりもするのだ。

現在、中国が拘留している脱北者を北朝鮮に強制送還させるかどうかで揺れているが、そうなれば一般教化所に収容される可能性が高い。それを知ってか、ある脱北者の在韓家族は「強制送還するなら、いっそのこと殺して」と中国側に抗議した。なんとも悲痛な叫びだ。

(週刊FLASH 2012年3月27日号)

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