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ヘンリー王子、コーチング企業の役員に就任…肩書は「最高インパクト責任者」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2021.03.24 16:50 最終更新日:2021.03.24 16:50
イギリス王室から離脱したしたヘンリー王子が、シリコンバレーにある新興企業「ベターアップ」の役員になったと、3月23日に発表された。社会奉仕に生活を捧げてきたイギリス時代と打って変わり、ビジネスの最先端へ転身したことが大きな話題を呼んでいる。
2013年に設立されたベターアップ社は、「リモートコーチング」企業だ。AIを駆使したカウンセリングやビジネスコーチングの先駆けである。
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栄養や睡眠、子育てなど幅広い専門家が在籍しており、これまでに蓄積したデータや、行動科学の知見を活用したアルゴリズムで、個人に応じたプログラムをオンデマンドで提供している。
コーチングを受けたい人は、まず端末から用意された質問に答え、条件に合うと思われるコーチの中から担当者を選び、好きな時間に1対1でビデオ対話できる。
同社のウェブサイトによると、2000名のコーチと270名の従業員を抱え、顧客となる会社はNASAやヒルトン、セールスフォース、シェブロンなど300社にのぼる。世界66カ国、49の言語に対応しているという。
同社はこれまで10万人以上にカウンセリングしてきたが、実はヘンリー王子自身が顧客だったという。王子は、母であるダイアナ妃の死去後、長期にわたって精神的な問題を抱えていたが、同社のカウンセリングを利用し、「計り知れない価値」を得たのだという。
その後、ベターアップのCEOがヘンリー王子にアプローチして、ビジネス界へ勧誘した。王子はCEOと初めて会ってすぐに意気投合し、何百万の人を救えるテクノロジーに興味を覚えたそうだ。
「今後は世界中の人に対し、メンタルヘルスについての意識を高め、人々の内面の強さや自信を育てる手助けをしたい。新しいコンテンツについても率先して携わっていく」と同社のブログで語っている。
同社は上場していないが、投資家からの評判はきわめて高く、2016年から毎年のように多額の出資を受けている。今年2月にも約136億円を集め、会社の評価額はすでに1900億円に達した。
ヘンリー王子は、これまでスポティファイと27億円、ネットフリックスと108億円の契約をしたと推測されているが、ベターアップの報酬額は非公表だ。
なお、ヘンリー王子の肩書きはCIO「チーフ・インパクト・オフィサー」になっている。日本語にすると「最高インパクト責任者」と言ったところだ。
ベターアップ社としては、世界中に会社名が報道され、まさにこれ以上ない大きなインパクトを与えることができた。すでにヘンリー王子は十分すぎる働きをしているわけだ。(取材・文/白戸京子)